日本の都道府県の数は47ですが、実は48番目があるのだとか。
その48番目の県の名前は…山田県!
このお話は、その山田県にある山田小学校で起こる、ちょっとふしぎでゆかいな物語です。
主人公は山田小学校4年1組のカナタ。いたって普通の男の子です。けれども山田小学校で過ごす日々は、普通でないことの連続…!たとえば、校庭の木と木の間にある「百葉箱」という白い箱には、背丈が鉛筆ぐらいしかない小さな「石倉さん」というおじさんが住んでいます。カナタは、クラスでこの「石倉さん」に給食を届ける係になったのですが、はたしてうまくいくのでしょうか。チョッキを着て、ねずみ色のズボンをはき、茶色いニット帽をかぶっている「石倉さん」。とっても気になる存在です。
またある日には、給食のメニューで大人気の「フルーツポンチ」の「ポンチ」のことが気になって、給食のおばさん「ウツミさん」にたずねにいくカナタ。すると日曜日にその「ポンチ」の収穫に一緒に連れてってもらえることになり…。船で向かった先は「ポンチのサンチ(産地)」だという小さな島。さてとっても美味しい「ポンチ」の正体とは・・・!?
「石倉さん」「ウツミさん」…ちょっと変わった登場人物に、ページを開いた子どもたちはたちまちのうちに心をぐっとつかまれてしまうことでしょう。作者は本書が初の児童書となり、お名前にまたまた「山田」がついている、山田マチさん。ゆかいなお話に、インパクトある楽しい絵を書いているのは、マンガやアニメで活躍中の杉山実さん。お二人のコンビがなんともいえない楽しい世界を作り上げています。お話は1冊に5話入っていて、「みどりのおじさん」、「音楽のダマーヤン先生」「山田流忍者シノブ」など、他にも気になるキャラクターが次々登場しますよ。途中に挟まれる「4年1組学級だより」も面白いニュースが満載で、1冊まるごと夢中で読んでしまう子どもたちの姿が目に見えるようです。
この後もどんどん続く山田県立山田小学校のゆかいな毎日。小学校中学年ぐらいの子どもたちに特におすすめです。つぎはどんな面白いキャラクターと出会えるのかどんな不思議が待っているのか、どうぞお楽しみに!
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
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