肉牛を育て、売ることで生計を立てていた吉沢さんは、あの東日本大震災の福島原発事故で、環境が一変してしまいました。
放射能汚染のために、立ち入り禁止地区となった牧場には330頭の牛がいます。
牛たちのためには立ち退くわけにはいかない。
苦難の生活に追い打ちをかけるように、牛を殺処分するようにとの命令が出されました。
牛飼にとって、すべてを捨てろというに等しい指令。
吉沢さんは牛たちの命を守ることを決意しました。
かつては、育てた牛を肉牛として売っていた自分と、無意味な死を否定する自分は同一人物です。
逆境に立ち向かう吉沢さんの基に支援者が集まり始めました。
「希望の牧場」と呼ばれるようになった牧場の物語。
絵もお話もすごいけれど、これが事実であることが何よりすごいと思います。