ねこを主人公にした感動の愛の物語です。
ちょっとした出会いから、トラビスとミケーレは惹かれ合い、愛を深めていきます。
くすぐったくなるほどの二人のやりとりが、自分自身の遠い昔を思い起こしました。
はたから見ると赤面するような滑稽なことを、大真面目に行っているトラビスとミケーレですが、岡田千晶の絵は人間のカップルそのものです。
それだけに、突然のミケーレの死と、トラビスの失脚という悲劇には打ちのめされました。
これを悲運というのでしょうか。
この絵本では、ひだまりという場所が、幸せな場所であったり、癒しの場所であったり、象徴的な場所として描かれています。
恋の成就も、命の終わりもひだまりに抱かれているところに人生の悲哀を感じました。