ヤギに誘われて入り込んだガマの暗闇の中で、少年と沖縄戦で命を落としたひめゆり学徒の会話が続きます。
暗闇の中で幽かに浮かび上がるものたちに、若くして死なねばならなかった彼女たちの悔しさが滲み出ているような気がします。
これを絵本と呼んでいいのか、画本というべきなのかわかりませんが、重厚な本です。
若干の解説の後には、沖縄戦で亡くなった沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校の211名の一人ひとりに紙碑が手向けられています。
名前と死亡した場所を追っていくうちに、言いようのない哀しみが溢れてきました。
これが戦争です。