おばけかいだん
- 出版社:
- ひさかたチャイルド
絵本紹介
2025.07.24
わーい、夏だ!思いきり外に駆け出したい気持ちの出鼻をくじくような、熱中症警戒アラート。泣く泣く外遊びを諦めなくちゃならない昨今の夏。子ども時代に夏ならではの体験が限定されるのは残念ですが、酷暑の下では仕方なし。それでもなんとか、夏らしさを味わってほしいものですよね。
暑い日は、絵本で思いっきり夏を体感しませんか? 『おばけかいだん』を上っていくと待ち受けていたのは……! ドキドキ怖くても愛嬌たっぷりのおばけ絵本、おはなし会にももってこいの一冊。
割れて飛び出したひとつぶの『すいかのたね』、アリの群れ、オタマジャクシ、楽譜……どこにいる?よーく目を凝らして探してみて! ピヨピヨ一家が初めてのキャンプに! わちゃわちゃ巻き起こるハプニングも大自然のなかだとひと味ちがう、そしてみんなで作るごはんはやっぱりおいしそう!
……絵本を読んでいると、やっぱり夏の日差しが恋しくもなり。人の体にやさしい夏が戻ってくれるのを祈るばかりです。それまでは暑さのピークをしのいで上手に夏体験、しましょうね。
みどころ
月曜日の朝、バムとケロがパンケーキを食べていたら、山のような小包が届いた。送ってくれたのは80歳の誕生日を迎えるおじいちゃん。その中身はなんと……組み立て式飛行機のパーツ! 自分で作っておじいちゃんの家まで飛んでいくの!?
だけどバムは慌てません。一つ一つ丁寧に組み立てていきます。もちろんケロちゃんもお手伝い(……をしているつもり)。土曜日の夜遅く、ようやく完成するといよいよ出発です。
行き方はおじいちゃんの手紙の通り。ところがこれが、なかなかの難所揃い。たまねぎ山脈にりんごやま、かぼちゃ火山は今年がちょうど50年目の噴火の年で……!! 驚きのハプニングに次々に見舞われるバムとケロ、果たして無事にお祝いに駆けつけることができるのでしょうか。
大人気『バムとケロのにちようび』に続くシリーズ第2作目の舞台は、家の中から飛び出して空の上。バムの運転の見事な腕さばきでスリル満点の旅行を楽しめるのです。もちろん登場する景色やキャラクターは島田ゆかワールド全開で、ハラハラしながらも頬はゆるみっぱなしになっちゃうのです。今回も何回読んでも飽きることはありません。どこかで必死になってついてきている、小さな「あの子」たちも探してあげてくださいね。
それにしても……最後のページ。バムのこんな表情は、他のお話ではなかなか見られませんよね。貴重です。
この書籍を作った人
東京デザイン専門学校グラフィックデザイン科卒業。パッケージデザインなどを経て、フリーに。絵本に『バムとケロのにちようび』、『バムとケロのそらのたび』、『バムとケロのさむいあさ』、『バムとケロのおかいもの』、『バムとケロのもりのこや』、『かばんうりのガラゴ』、『うちにかえったガラゴ』(以下文溪堂)、『かぞえておぼえるかずのえほん』(すずき出版)、『ぶーちゃんとおにいちゃん』(白泉社)がある。カナダ在住。
出版社からの内容紹介
風に吹かれて巣からころがり落ちた、まいごの卵が、お母さんをさがしています。
あたりにいた恐竜たちも心配して、たまごの親さがしに協力します。
やがて、夕方になったとき、奇跡がおこり、たまごの親がだれなのかがわかりました!
ようやくお母さんと再会できた、まいごのたまごは、翌朝、ぶじに孵ることができました。
ティラノサウルス、トリケラトプス、ブラキオサウルス、プテラノドン……。
子どもが大好きな恐竜たちが、勢ぞろい!
それぞれの恐竜の特徴も紹介されており、はじめの恐竜ブックとしても、おすすめ!
翻訳は、読み聞かせ界のトップ・ランナー、「聞かせ屋。けいたろう」さん!
◆聞かせ屋。けいたろうさんのインタビューはこちら!
この書籍を作った人
夜の路上で、大人に絵本を読み始めた、聞かせ屋。親子読み聞かせ、絵本講座、保育者研修会で全国を駆け巡る。絵本の文章、翻訳も手がける。元保育士で一児の父。作品に「どうぶつしんちょうそくてい」「おっぱいごりら」(アリス館)「まいごのたまご」(角川書店)など。
この書籍を作った人
絵本作家・アートディレクター。ニューヨークADC 金賞・銀賞・銅賞、ブルノ・国際グラフィックデザインビエンナーレグランプリ、ロンドン国際賞デザイン部門金賞、銀賞、銅賞など、国内外のデザイン・広告賞を受賞。絵本の作品に、「おひさまキッチン」シリーズ(パイインターナショナル)、『コンビニてんちょう ネコイチさん』(PHP 研究所)がある。
この書籍を作った人
絵本作家・クリエイティブディレクター。東京コピーライターズクラブ新人賞・審査委員長賞、広告電通賞金賞、ニューヨークADC 金賞・銀賞・銅賞など、国内外の広告賞を受賞。絵本の作品に、「おひさまキッチン」シリーズ(パイインターナショナル)、『コンビニてんちょう ネコイチさん』(PHP 研究所)がある。
この書籍を作った人
絵本作家・イラストレーター。広告などのイラストも手がける。絵本の作品に、「おひさまキッチン」シリーズ(パイインターナショナル)、『コンビニてんちょう ネコイチさん』(PHP 研究所)がある。
この書籍を作った人
(戸田幸四郎 1931年−2011年)山形県尾花沢市生まれ。都市計画から店舗デザイン、グラフィックまであらゆるデザインを仕事とする。51歳の時、デザイナーから絵本作家に転向。80歳で亡くなるまで42作品を発表。そのどれもがロングセラーとなる。絵はもちろん、ひらがなまで全てをデザインした『あいうえおえほん』は累計100万部を超え、日本の知育絵本の草分けと評されている。他にも宮沢賢治・太宰治などの文に重厚な絵を描いた名作絵本集や環境をテーマにした創作絵本集など出版。静岡県熱海市には自身が建築デザインから手がけた戸田幸四郎絵本美術館がある。
みどころ
5匹のひよこの兄弟が何をしていても愛らしくて仕方がない、工藤ノリコさんの「ピヨピヨ」シリーズに第5弾の登場です!さて、今回のピヨピヨ一家は初めてのキャンプに出かけるようですよ。好奇心のおもむくままに行動するピヨピヨたち、大丈夫かな・・・?
大きなリュックを背負って、ピヨピヨ一家がやってきたのは山の中。きれいな水が流れる川のそばでテントを張ってキャンプをするのです。
「みんなの しごとは たきぎひろいですよ」
大事な仕事を任されたピヨピヨたちは、はりきって山奥に入っていきます。
「いっぱい ひろおう」「ピヨピヨ」「ピヨピヨ」「あっ、きのこ」
あれあれピヨピヨたち、拾うのはたきぎじゃなかったの?
みんなのリュックの中身がすっかりきのこで埋まったころ、ふと気がつくのです。
「ここ、どこだろう」
あっという間にピンチを迎えたピヨピヨたちを救ってくれたのは、なんと・・・!?
今回も無邪気なピヨピヨたちの魅力全開、途中でちょっとドキドキする展開もあるけれど、最後にはやっぱり美味しそうな食事のシーンで幸せな気持ちにさせてくれます。
いつもと違うのは、その豊かで壮大な山の景色です。本当に美しく描かれた深い緑を背景にして、ピヨピヨ一家たちがたき火でごはんを炊き、魚を焼いて、きのこのカレーをみんなで食べるのです。その独特な高揚感とワクワク感が伝わってきますよね。
そして、夜はもちろん寝袋に入ってテントでおやすみなさい。
ちなみに個人的なみどころポイントは、ある方法で川をくだるピヨピヨたちの様子と、寝袋から顔を出して寝るピヨピヨたちの姿です。それから初登場のあの方たちも、ですね!
この書籍を作った人
1970年、横浜市生まれ。女子美術短期大学卒業。絵本作家、漫画家。絵本に『センシュちゃんとウオットちゃん』(小学館)『セミくん いよいよ こんやです』(教育画劇)『寿限無』(ほるぷ出版)『フローリアとおじさん』(白泉社)『ペンギンきょうだい れっしゃのたび』(ブロンズ新社)『ピヨピヨ スーパーマーケット』『ピヨピヨ メリークリスマス』『ピヨピヨ もりのゆうえんち』(佼成出版社)、読み物に『letters レターズ』(偕成社)『マルガリータとかいぞく船』(あかね書房)、マンガに『さすらいの就職犬!ワンワンちゃん』(白泉社)など多数。
文/竹原雅子
編集/木村春子