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月刊「詩とメルヘン」に掲載された安房・味戸コンビの全作品を収録。すべての装画がオールカラーの豪華愛蔵本。
「あの海の色は いつも 私の中にあります」
お互いの存在も知らずに、同じ風に吹かれ同じ函館の海を見つめて育った 安房さんと味戸さんが、二十年後の東京で出会い、 約十年間にわたり二人で月刊『詩とメルヘン』誌上に発表した 十七編の物語集です。
安房直子さんの作品ということで絵本ナビで購入しました。
作品もさることながら、あとがきを書かれている味戸ケイコさんと瑞雲舎の井上さんの安房さんの作品に寄せる熱い思いに感動し胸が熱くなりました。
安房さんが早く亡くなられたことは読者である私たちにとってはとても悲しいことなのですが、こんなにも深く作品を愛して読者に届けたいという気持ち、その気持ちがとても嬉しかったです。
そして、安房さんの作品を読むとなぜかたかどのさんの作品を読みたくなる私。
その理由がよくわからなかったのですが、たかどのさんの長編に見られる「憧れ」がこの「夢の果て」にも描かれていて「憧れ」が共通点としてあったこと。
そして、味戸さん安房さん共に北海道におられたことがわかり、たかどのさんも北海道出身、たかどのさんとの共通点「憧れ」と「北海道」という二つのキーワードが見つかった作品集でもありました。
収められている作品はどれも秀逸。
私の好きな、切ない、はかないという胸の奥がきゅーっとする作品群たちはいつ読んでも新鮮で小編でありながらも、どこか別の世界へと誘ってくれるのです。
味戸さんの美しく繊細で幻想的そしてどこかほの暗く、時に不気味な怖さをたたえる絵がとても安房さんの作品にマッチしていると思います。
安房直子コレクションや、買い集めた安房さんの文庫本と共に私の愛蔵版となりました。
この作品を読者の元に届けて下さってとてもありがたいと思います。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子7歳)
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