ダジャレに回文、しりとり遊び、早口言葉に並べ替え言葉、さらにはあいうえお作文まで。言葉を巧みに使った絵本なら何でもおまかせの絵本作家であり詩人の林 木林さんが新作絵本『バナナンばあば』を携えて絵本ナビに遊びに来てくれました。今回の絵本はかわいくて、おちゃめで、ちょっぴりイジワルなおばあちゃんバナナが主人公のお話。どうしてバナナがおばあちゃんなの? どうして3本つながっているの?…それはインタビューを読んでいただけれバナ〜、分かります。
●バナナのシミ(シュガースポット)を見て、『バナナンばあば』を書こうと思いました。
─── 『バナナンばあば』というタイトルのリズム感にとても惹かれたのですが、バナナをおばあさんキャラにしようと思ったキッカケは何だったんでしょうか?
バナナって何日か置いていると、黒っぽいシミが出てきますよね。そのシミは「シュガースポット」と言って、バナナの甘みが増して食べごろになったサインなんです。人間で「シミ」っていうとマイナスなイメージがあるんですが、バナナにとってのシュガースポットは美味しい合図だと知って、「シミで希望をくれるバナナってステキ!」って思ったのが最初のキッカケです。
─── 「シミはステキ」というところから絵本のキッカケが生まれたなんて、発想がユニークで面白いですね。
それから「バナナのシミ」→「シミ」→「おばあちゃん」というような流れで、バナナのおばあちゃんキャラが生まれました。私、おばあちゃんも希望をくれる存在だと思うんですよ。年をとるってマイナスなイメージじゃないですか。でもおばあちゃんをみると、無邪気で可愛かったり、ちょっぴり意地悪なところがあっても憎めなかったり、若い頃よりも人間に丸みや深みが加わって、とてもステキなんですよね。そのおばあちゃんの魅力とバナナの食べごろサインであるシミが私の中でピタリと合って、「これはもう絵本の中でバナナにおばあちゃんになってもらうしかない!」と思ったんです。
─── 「食べごろのバナナおばあちゃん」っていう響き、とってもステキですね(笑)。この3人のおばあちゃんたちの仲良しな感じも可愛いんですけど、テレビのチャンネル争いや、ケンカをするところなどの姉妹ならではの感じがリアルですよね。バナナンばあばは最初から三姉妹の設定だったんですか?
そうですね。バナナは房になってつながっていた方が可愛いな〜と思っていました。でも5本になると、かなり大家族なイメージになっちゃうのと、後ろのバナナが隠れてしまいそうなので、バランスを見て三姉妹くらいが良いかな〜〜と。