たまごやきが大好きで、わがままで、なまけもので、くいしんぼう。 とっても困っちゃうんだけど、でもみんなから愛される王さまが、今年で創刊60周年を迎えます。 理論社×絵本ナビでは、そんな王さまへの応援コメントを大募集しちゃいます。 受賞コメントには王さまからステキなプレゼントが届きますよ。
「ごちそうは、たまごやきにきまってるさ」
「しめしめ、しまっておいて、あとで食べよう」
「ぼくではないぞ、ケーキを食べたのは」
「ぼくはもう、王さまを、やめたぞ」
「とうめい人間になるくすりを、すぐに、つくれ」
「さては、おまえのしわざだな」
「ひなが大きくなるまで、べんきょうはおやすみだ」
「ぼくは、あたまが、いいんだぞ」
「たまごを たべていいのは、ぼくだけだ」
『たまごがいっぱい』
年 | できごと | 王さまからひと言 |
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1956 | 王さまたんじょう。 記念すべき1作目「ぞうのたまごのたまごやき」は雑誌に載り、すぐに「こどものとも」第4号として絵本化(絵は山中春雄さん) | ぼくは、寺村さんが「自由になりたい!」と一生けんめい考えているときに生まれてきたんだ。 早稲田大学の先輩童話作家・大石真さんも「王さまという鉱脈を発見」したと喜んでくれたんだって。それからずっと、寺村さんはぼくが主人公の話をたくさん書いてくれたよ |
1959 | 「おしゃべりなたまごやき」が「こどものとも」35号として絵本化(絵は長新太さん) | 長さんは、この絵本で文藝春秋漫画賞を受賞した、おめでとう! |
1961 | 王さまの作品4作をおさめた『ぼくは王さま』刊行(絵は和田誠さん) | この本は、第17回毎日出版文化賞を受賞した、バンザーイ! |
1967 | 王さまの2冊目の作品集『王さまばんざい』刊行(絵は和歌山静子さん) | この前の年、寺村さんは新進画家の和歌山静子さんを見いだして、ぼくの絵を頼むことに決めたそうだ。 和歌山さんもぼくを気に入ってくれて、50年たった今も、ぼくの絵を描き続けてくれているよ |
1979 | もじとことばの絵本『あいうえおうさま』刊行(1980年、絵本ニッポン賞受賞) | 「これまでなかったような、あいうえおの絵本を作ろう」 寺村さん、和歌山さん、デザインの杉浦範茂さんの3人が、3年がかりでがんばったんだって |
1985 | 『王さまかいぞくせん』刊行。「ぼくは王さまシリーズ」の第1期完結 同時に第1期全作品をまとめた『ぼくは王さま全1冊』刊行 | ぼくは、この本でついに大すきなおひめさまと結婚できた! そして「ぞうのたまごのたまごやき」で王子が生まれてくるんだよ |
1986 | 「王さまでかけましょう」が小学2年生「こくご」教科書に掲載 | べんきょうがきらいなぼくが教科書にのるなんて、ふしぎな気分 |
1990 | 「ぼくは王さまパートU」スタート | 5年間で10冊完結した |
1991 | 「王さまクラブ」(王さまシリーズの読者によるファンクラブ)発足 | 会長はもちろんぼく。機関誌「王さまタイムス」は5年間、第10号まで出たんだ |
1998 | 「寺村輝夫の王さまシリーズ」(「ぼくは王さまシリーズ」第1期を全面改訂した新版)刊行スタート | 和歌山さんは全部の絵を新たに描いてくれたよ |
2006 | 寺村輝夫さん逝去。享年77歳 | ……かなしすぎる |
2009 | 「王さまのえほんシリーズ(全5巻)」復刻 | 1971〜72年に出た幻の「カラー童話」が新デザインで復刊! |
2010 | 日生劇場ファミリーフェスティヴァルにて、ミュージカル人形劇「ぼくは王さま」シリーズの公演スタート | 子ども、お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃん、3世代で来てくれる人もいて、うれしかったなぁ |
2012 | 「寺村輝夫『ぼくは王さま』展」が県立神奈川近代文学館にて開催される 「新・王さまえほんシリーズ」刊行スタート | 寺村さんの全文学活動をふりかえる展覧会。ぼくが生まれる前のことや大すきなアフリカのことなども展示された |
2013 | テレビアニメーション「ぼくは王さま」放送開始(BS11) | 「あいうえおうさま」のショートアニメが特に好評だよ |
2016 | 王さま満60歳! 『王さまABC』刊行 | ヤッホーッ!いよいよ還暦なんだ。 もじとことばの絵本、第2弾。ぼくといっしょにえいごであそぼう! |
−−−−ぼくへの質問で一番多いのが「王さまは大人ですか?子どもですか?」というもの。一人前の王さまに向かって、失礼なこときくなぁ。作者の寺村さんは「王さまは何歳ですか?」ときかれたとき、次のように答えていた。
「(何歳だと思っても)みんな正解! 読む人がそのくらいの歳だと思ってくれれば、それでいうことなし。けれども、作者の本心は、王さまは10歳前の子どもとして書いています。」
−−−−そして、ぼくという主人公を考えたときのことについて、こんなことも書いている。
「……作品で子どもを自由奔放に遊ばせたい。が、子どもは毎日学校にいかなくてはならない。……その束縛から逃げる手を考えた。主人公の子どもが日常のそれではいけない。
そこで考えついたのが『王さま』だった。王さまなら威張っていて、わがまま勝手にしていればいいではないか。こうしてわが主人公が誕生した。
これは私にとってまさに革命的な発見だ。しかも、王さまを子どもの日常におきかえ、生活のなかで、してはいけないことをやってみる──。なんとも痛快ではないか。私はその快感に酔って書きつづけることにした。
しかし、してはいけないことをやるには、かなりの抵抗がある。大臣以下が、みんな王さまの敵になるのだ。敵とたたかい、あるときは敗れ、あるときは勝つ。こうして、書きつくせない、子どもの人生を考えつづけてきたのであった。
その点が、世の大人には理解出できなかったらしい。王さまは子どもだ、といっても、ヒゲをつけているではないか、『わし』などと大人ことばをつかっている……。ふりかえってみると、そういう大人読者とのたたかいでもあった。私はいいつづけた。キミは子どものころ、紙でヒゲをつくり鼻の下にはりつけて遊んだことがないのか。……こうして子どもは、大人である自由をイメージしているのだ。……」
−−−−みんな、ぼくの人気の秘密をわかってくれたかな? 今年60歳をむかえたけど、ぼくは永遠に子どもの味方だ、ぼくは王さまだぞ。(引用は「王さまタイムス」第3号 1992年秋冬号より)
寺村輝夫
1928年東京都生まれ。戦後早稲田大学に入学し"早大童話会"に所属、創作童話を志す。56年に「ぞうのたまごのたまごやき」を発表。以来「ぼくは王さま」シリーズをライフワークとして書き続ける。61年『ぼくは王さま』で毎日出版文化賞受賞。80年『あいうえおうさま』で絵本にっぽん賞受賞。84年「独特のナンセンステールズで、子どもの文学の世界を広げた」功績により巌谷小波文芸賞受賞。「寺村輝夫のとんちばなし・むかしばなし」「おはなしりょうりきょうしつ」「わかったさんのおかし」「かいぞくポケット」など、子どもに人気のシリーズが多い。2006年没。
和歌山静子
1940年京都に生まれ、幼少期は函館で過ごした。武蔵野美術大学卒業。力強く大胆な絵を寺村輝夫氏に見出され、20代後半から子どもの本の仕事を始める。絵本『あいうえおうさま』(絵本にっぽん賞受賞)『おおきなちいさいぞう』(講談社出版文化賞受賞)をはじめ、「王さまシリーズ」「オムくんトムくんシリーズ」など寺村氏との仕事が多い。ここ20年程は『てん てん てん』『ひまわり』『どんどこ どん』『おーい はーい』『おかあさん どーこ?』など自作の赤ちゃん絵本も多い。ほかに『ぼくのはなし』『よあけまで』『ぼく とりなんだ』など。
『しゃぼんだまのくびかざり』
#王さま60
遊ぶのが大好きな王さまが 大臣に しゃぼんだまを教えてもらい
楽しんでる かわいい 王様
われないしゃぼん玉を 博士に 研究させ
さて、しゃぼんだまの くびかざりできたの?
本を読むのが 一番です!
王さまの 優しさ 国を守とはを考えさせられた絵本でもありました
にぎりすしさん
『おしゃべりなたまごやき』
#王さま60「おしゃべりなたまごやき」は、生まれて初めて自分で選んだ本でした。立派な髭を蓄えた大人なのに、わがままでドジな王さまは、私の大切な友達でした。タイトルは「たまごやき」なのに、登場するのは目玉焼き。「何でだろ?」と、その理由をあれこれ想像するのも楽しかったです。
『王さまレストラン』
#王さま60
子供の頃、のんきそうな王さまの絵と、マツンボのいつもいつでも食べててね〜♪の歌が好きでした。親になって子供の為に、初めて声に出して読みました。マツンボの歌も、ラッパの音も、私作曲の勝手なメロディーです。最近は長男が末っ子に鼻歌のようなマツンボソングを歌ってくれます。
『しゃぼんだまのくびかざり』
しゃぼんだまを首飾りにするなんて、なかなかロマンチストな王さまです。シリーズの中ではちょっと異色なミステリー調のお話しで、読んだ後もちょっと不思議な感じが残ります。しゃぼん玉の実が一面になった畑の風景、私も見てみたいです。#王さま60
すずらんぷさん
『王さまでかけましょう』
そりゃあ、勉強している横で、つばめの赤ちゃんが生まれたら、気になっちゃうよね。自分も育てたくなるし、つばめがだめならライオンやゾウの赤ちゃんを育てたいと思うよね。アフリカにも行ってみたいよね。でも、ライオンやゾウのたまごは…?やっぱりお勉強も大切ですね。#王さま60 すずらんぷ
すずらんぷさん
『王さまめいたんてい』
遊ぶのが好きで、勉強がきらい、本当に子どもみたいな王さまです。はん人が書いた手紙、私も何のことやらわからなかったのですが、さすが名探偵、王さまにはちゃんと解読できちゃうんですね〜。王さまのこと、すべてお見通しの、大臣とのやりとりが楽しいお話しでした。#王さま60 すずらんぷ
すずらんぷさん