岩手県の海沿いを走る三陸鉄道では、列車に乗りながら被災地を見て防災について学べる、「震災学習列車」を運行しています。「東日本大震災の記憶を風化させまい」という思いで、社員が自らガイドをしているのです。三陸鉄道が大震災で受けた大きな被害と、そこから全線開通を実現させるまでの3年の軌跡。そして、震災学習列車がつなぐ人々のきずなを紹介するノンフィクションです。
【編集者コメント】
震災学習列車が走りだした2012年6月には、線路のわきにがれきの山が積み上がり、生々しい震災のつめあとが残っていました。被災地の状況は刻一刻と変わっていきますが、テレビや新聞などで見るのと、実際に見るのとではこんなにも違うものかと思いました。震災学習列車に乗ると、震災の悲しい記憶がよみがえります。でも、その一方で、三陸鉄道のガイドさんや現地の方たちとの交流が、あたたかく心に残りました。
震災学習列車に乗ることで生まれた人と人のつながりが、これからも被災地を応援し、支えていく「きずな」となるのではないでしょうか。ぜひ本書を多くの方に手にとっていただき、また、実際に震災学習列車を体験していただきたいと願っています。
続きを読む