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お面がはりついた友だちを助けようとしたとき、急に友だちがおかしな声をだしはじめた。背筋が凍るほど、こわい怪談10編。
10人の作家による10篇の怪談。小学生が学校や家庭、外出先などで体験する奇妙な話。
1話ずつ読み切りなので、どこから読んでもいい。好きな作家の作品からでもいいし、タイトルを見て気になるところから読んでもよい。
放課後、遊んでいる時や、下校中、家庭に帰ってからなど、読者も経験がある場面でいろんな怪異に遭遇していく。
やや昭和な感じがする場面設定や、小道具、登場人物の言葉などが、妙にリアルだ。書き手が、自分の子ども時代を思い出して書いているのか、「最新のIT機器やSNSなどの話題はなるべく避ける」という縛りがあるのか、すこし前の時代、という印象があった。
子ども向けに、あまりエグい表現や設定は控えているようだが、それでも十分に面白く読める。時々、その場にいるのが自分だったと仮定して想像したら笑えるような場面もあったり、個性的な性格の登場人物を遠目で見ながら、「こんな子がクラスメートだったら…」と空想したりして、楽しかった。
ちょっとした軽い読書に、大人にもおすすめする。
文字が大きくて、読みやすい。 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
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