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1957年刊行。心温まる人形劇。
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投稿日:2025/04/09 |
何不自由なく暮らしていた一人ぽっちのお人形が、お友達を得る物語。
原作:1957年刊行。写真家・モデルを務めた筆者が、子どもの頃から持っていたお人形「エディス」に、二頭のクマのぬいぐるみを加えて作った写真絵本。
原作:デア・ライト(1914〜2001)
今のように便利な道具やIT技術がなかった時代に、お人形をまるで生きているようにみせる撮影技術やアイデア、センスが素晴らしい。全部アナログで作っているところは、今の世代の人には逆に新鮮に映るかもしれない。
人形劇が流行ったころに子ども時代を過ごした世代には、かなり懐かしい感じを受ける作品。
主人公のエディス(少女)の表情が、本当にこういう子どもが居そうな感じで素敵だ。ちょっと冷たいように見えるが、実はとても寂しがり屋で、孤独な少女。
アメリカ、という土地柄か、とても大胆なことをしでかして面白い。50年代のアメリカの、孤独な少女の魂が、2025年の日本に届いた。感慨深い。
ハッピーエンドのお話なので、安心して人に勧められます。
写真を見るだけでも、当時の素敵な雰囲気が楽しめます。
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女子の心をきめ細かく描いたリアルな物語
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投稿日:2025/04/04 |
クラスで目立たない存在の小学校4年生の女子が、自分とは正反対の仲良し女子グループとの関係を通して、自分を見つめていく物語。
2013年刊行。小学校時代に、「仲良しグループ」に入る、入らないという体験を通して、人間関係の難しさを知った人は多いと思う。私も、本作品の少女のような引っ込み思案なところや、他の人にはあまり理解されない感性、その他諸々あって、なかなか学生時代は大変だった。
子どもにとって、「友達の輪に入っている」「仲間外れになっている」というのは、死活問題だ。
更に、女子特有の意地悪さ、見栄の張り合い、劣等感による様々な問題などが、実に生々しく、容赦なく描かれている。
よく人の心や様子を観察している作家だなと思った。
主人公は、一匹のひよこを飼うことで、自信を取り戻したり、信頼できる人を見分けられるようになったりする。
本書で描かれている通り、本当に素敵な人は案外地味だったり、独自の道を歩んで満足しているから、人と変に争わなかったりする。
どんな人と付き合ったらよいか、本書はとても参考になると思った。
大人になっても、本書のような過酷な人間関係と自分の劣等感と闘っている人は多いと思う。いろんな年代の人に、人間関係や、生きること、命の尊厳について考えさせられる力がある物語だと思った。
とはいえ、説教臭くなく、ドラマチックで面白く読了できたのは、作者の素晴らしい力量だと感心した。
読み応えがある。
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愛と笑いと涙のボス猿一代記
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投稿日:2025/04/01 |
大分県にある猿を観察できる場所:高崎山自然動物園。お寺の境内(万寿寺別院)にある「サルの寄せ場」で有名になったボス猿「ベンツ」の、生い立ちを取材した。
2014年刊行。ニホンザルの被害に遭っていた住人・農業を守り、サルと人間の共生を目指した取り組みが、この自然動物園の始まりだとか。
本書で登場する「ベンツ」は、歴代のボス猿の中でもひときわ楊烈な個性・伝説を作っていった。喧嘩好きで乱暴で、メスサルにも猛烈にアピールし、のし上がり、ボスになって群れを率いた。恋愛スキャンダルで失脚したり、行方不明になったり、いろんな騒動も巻き起こし、圧倒的な存在感を放った。
まるで任侠映映画を見ているよう。
筆者も取材・執筆していて楽しかったのではないだろうか。
本書はベンツの一生のみならず、ニホンザルの暮らしぶりや習性、地域の特徴なども書かれてある。面白く読んでいるうちに、ニホンザルの生態に詳しくなってしまう。
本書を読んだ後は、動物に対しする見方が変わる。
野生の動物、群れでくらす動物たちも、なかなか大変な仕組みの中で生き抜いていると思うと、尊い。
ぜひ、高崎山に行ってみたい。
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多くの人に希望を与える生き様
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投稿日:2025/03/12 |
世界中で大人気の「テディベア」を作った女性の人生を辿る物語。
2011年刊行。巻頭にはカラー写真、巻末にはマルガレーテ・シュタイフの年表、生まれ育ったギンゲンの写真、博物館や参考資料などもある。
1847年、南ドイツ生まれ。1歳半で脊髄性小児まひで車いす生活になる。1880年、33歳の時、フェルトで象をつくり、政界で初めてのぬいぐるみが誕生した。1902年、55歳の時に熊のぬいぐるみを発売。のちのテディベアとなる。
女性や、障碍者が生きにくい時代に、明るく親切な人柄でみんなに好かれ、不断の努力を重ねて人生を切り開いていった。
父も母も、彼女に惜しみない愛を与え、周囲の人と良好な関係を作り上げ、相互に助け合いながら事業を成功させていった。
彼女が残した功績は大きく、女性の社会進出や経済的な自立への啓蒙・支援をした。そして、障害があっても本人に適した仕事で経済的にも豊かになれることを証明した。
今でも世界中で愛されているぬいぐるみに、こんな素晴らしい人たちが関わっていると知って感激した。
現地で取材し、精一杯の愛情をこめて書き表した著者の表現力も素敵だ。
困難に打ち勝っていくマルガレーテに勇気づけられる一冊。
やはりやるべきことをしっかりやって、人に好かれて助け合い、良好な関係を築き、運も良いことが成功につながると思った。
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地球は不思議でいっぱい
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投稿日:2025/03/12 |
ドラゴンの卵と呼ばれている鉱物について解説した科学絵本。
2010年刊行。
著者は本の装丁をするデザイナーが本業。遺跡の写真や意思のコレクションも紹介している素敵な方。
土の中に長年埋もれていた古代の生物の卵の化石のよう。
割ってみるまで、中の構造がどうなっているかわからないところも、不思議な魅力がある。
実際には、複数の鉱物が集まった石だ。割った時の模様が素敵で、集めている人もたくさんあるという。
コレクター心、冒険心をくすぐられる魅力的な鉱物である。
本書は大型本で、豪華な写真がたっぷり見られる。
大きく引き伸ばしてあるので、不思議な石の中身が見られてゴキゲンだ。
地球上にはまだまだ不思議な、楽しいものがたくさんあるとわかって、ワクワクする。
いつか実際にこういう石を探しに行きたい。
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そんなものが欲しかったのか!?
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投稿日:2025/01/08 |
汗水たらして働いて買った特急券で、新幹線の素敵な旅を楽しみ、ついでにどうしても欲しいものを手に入れるお話。
2009年刊行。ネタバレを避けながら感想を書くのが非常に難しいお話なので、是非とも買って読んで欲しい。
切り取って遊ぶ付録もついているので、是非とも買って楽しんで欲しい。
話しの本筋と関係ないところでも、面白さ満載。
裏表紙の「大金持ち ガバリス夫人」の豪華・ブランド物で完全武装した素敵なファッションが素晴らしい。パロディ力とオヤジギャグのセンスが光る。
このお話は、今までに出てきた悪役キャラが体を張っていろんなことをしてくれるので、今までのお話を読んでいると更に楽しめるので、是非ともシリーズを全部買って読んでから、本書を読んで欲しい。
そんな作者の心の声を、頼まれもしないのに代弁してみました。
普通に面白いし、ツッコミどころも満載で読者を飽きさせません。ここまでくると名人芸と言えるサービス精神に、私も生き方を見習おうと思いました。
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社会派!ゾロリ
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投稿日:2024/12/28 |
子分を人質にとられたゾロリが、金貨を取り戻すために大冒険するお話。
2008年刊行。エコな都市をつくると言いつつも、実態は親族との癒着と利益の独占、的外れな目くらましで市民を騙して私腹を肥やしている行政。それと対決する市民たち。
子ども向けのギャグ漫画とは思えない設定で、泥棒一家ゾロリに大冒険させる作者のセンスが素晴らしい。
「誰も使用しない建物」を4つも作るという、凄まじさが笑える。行政関係に知り合いは皆無だが、世間の目はそんなところだと私も思う。
お話自体は、ハラハラドキドキの楽しい展開だが、
お話の本筋とは関係なさげな背景や、設定などに、作者が声を大にして言いたいことが全面的に描かれている気がした。
大人になると、素直に物語を楽しむよりも、作家の意図を探る面白さに目覚めて、斜めに物事をとらえてしまうなあ。
と言いつつも、面白かった。
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騙されるのは快感か
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投稿日:2024/12/18 |
バカに安いカレーをめぐって、ゾロリ一家が超能力にあこがれる子どもたちを利用してズルく儲けようと画策するお話。
2008年刊行。
往年の超能力ブーム(ユリ・ゲラーのスプーン曲げなど)を知っている中高年には、いろんな箇所に懐かしい思い出がチラホラ垣間見られる楽しいお話。小学校の給食の時間に、スプーンを無理やり曲げようと頑張った。それは徒労に終わったが、本書に出てくる子どもたちは、少しだけ持っている超能力をフル活用して、活躍している。いいなあ。
ゾロリの食欲・物欲がかなりの超能力として発揮されるのが愉快だ。やっぱり人間は欲求、それも下世話な欲望が一番強く現実に作用するのだ。この泥臭さが、本シリーズの美味しいところ。正直な気持ちの吐露が素敵過ぎる。
最終的にはいい話のようになってしまうのが、泥棒としては不名誉かもしれないが、読者的には安心して子どもに与えられる。なかなか素敵な孝行物語、人情モノとも言える。
バカな設定が満載なのに、どうしてか妙に感動して心が熱くなるのが不思議。それこそ、作者の超能力だ。
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ダイエットあるある特集みたい
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投稿日:2024/11/20 |
前作「大ぐいせんしゅけん」で強烈に太ってしまったゾロリ一家が、スリムな体に戻るべく奮闘するお話。
2007年刊行。ダイエット商戦は時代によって流行り廃りがあり、面白い。このお話に出てくるいろんなダイエット法は、実際に流行したものや、そこからヒントを得て適当に書いたものまでいろいろある。
騙される人もあるし、ダイエットをしていないのに痩せた人もある。ダイエットに関する悲喜劇こもごもが、ゾロリたちを通して心に迫る。(大人の意見)
当事者としては、やせる&ふとるは切実な問題。
あれこれ試しては挫折し、次へと希望をもって明るく朗らかに進んでいくゾロリたちに勇気をもらう。
今回も、いろいろ悪事とは別の才能を花開いて、カッコいい楽しい話でした。妙なところで影響を受けて、私も運動して見ようと思った!
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昔の某・テレビ番組を思い出して笑った
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投稿日:2024/11/20 |
テレビ関係者にスカウトされて、大食い選手権番組に出演することになったゾロリ一家の雄姿を描いた作品。
2007年刊行。某・テレビ局が「〇〇選手権」を盛んに放送していた時代を思い出せる世代には、小ネタも全てワラえる。
大食いはいろんな人が、いまだに挑戦しているらしい。
あれはどういう体の構造いなっているのだろうか??
作品は、いろんな意味で「意外性」があり、楽しい。
人は見かけによらないという、それをお話のあちこちで表現していて、ワラえる。筆者は本当によく人を観察しているのだと思った。
大食いギャルキャラの女子の、職人根性と向上心が素敵。
ゾロリも負けずにあれこれとやってくれて、ますますいろんな才能が無限に開いて行って爽快だ!
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