子どもの小さな手にもすっぽりおさまりそうなかわいいサイズのこちらは、リーブルさんの「おはなし なあに?」シリーズ。前作『おはなし チムとターク』につづく2作目の登場です。
表紙にはこわそうなおおかみが一匹。おこりんぼのおおかみブンです。
「なんで、もう朝がきたんだよ。プリプリ」「おや、ゆき?もう夏なのに。プリプリ」
いつもこんな風にプリプリおこってるんです。でもね、なぜか歌が好きで、いつも歌いたくてうずうずしているんですって。それでおおかみたちのコーラスグループ「ワオワオがっしょうだん」に入れてもらおうとしたのだけれど、「あたらしいなかまなんか、いらないよ」と言われてしまって、仕方なくいつも1人で歌っているんです。
春、夏、秋、冬、とめぐる季節とともに、ブンに訪れる森の動物たちや自然との出会いのお話が全部で6つ。むささびのスーと協力して迷子のふくろうを母親のもとに届けたり、川に落ちてしまったくりの実を助けたり…。さまざまな出会いによって次第に変化していくブンに、ついに訪れる大きな出会い。おこりんぼのブンの表情が一気に?!もしかしたらブンはおこりんぼだったんじゃなくて、○○しんぼ、だったのかもしれませんね。
ユーモラスでじんわり温かいお話を届けてくれたのは、読み物、絵本、紙芝居と多岐にわたる作品を生み出されているわしおとしこさん。表情豊かに描かれるブンやかわいらしい森の動物たちの絵を書かれているのは、『ねこざかな』でおなじみの渡辺有一さんです。
本の最初のページについている贅沢なカラーの口絵もお話の時々で眺めながら読むと、よりたっぷりブンの住む世界を楽しめますよ。1話1話のお話は、寝る前や、ちょっとしたすき間の時間に読むのにちょうどいい長さ。親子でたっぷり楽しんで下さいね。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
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寝る前や、ちょっと静かにお話を聞きたいときなどに最適のお話の本です。主人公は、とてもとてもおこりんぼのおおかみブンです。ブンは、毎日なにかにおこっています。でも、なぜか、うたがとってもすきなのです。そんなブンが、くりの実や、女の子のおおかみに
出会って、おこりんぼでなくなっていく様子が、6話のつながったお話
になっています。ユーモラスな文章や会話、明るくて表情豊かなおおかみブンのカラーの口絵も楽しんでいただけると思います。
このシリーズの前作『おはなしチムとターク』同様、小さい判なので、お出かけに持っていくにも、寝る前に読んでもらうにもぴったりです。
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