「ゲド戦記」でお馴染みの翻訳家・清水眞砂子さんの著書です。
「そして、ねずみ女房は星を見た」を先に読んで、清水さんの他の著書も読んでみたいと思いました。
「そして、ねずみ女房は星を見た」は、紹介してくださる方がいて読んだのですが、児童文学作品についての解説がとても詳しくてどれも読んでみたいと思いました。
さて、「幸福に驚く力」を読んで特に参考になったのは、「橋をかける女たち」という講演録です。
アンネ・フランクを助けたミープ・ヒース。
普通の生活を送る人々の中にも自分の生命をかけて人を助けるという道を選ぶという選択肢を選ぶ人々がいることや、鰻屋さんがブラジル人の子どもたちの学習支援をしていることなどにも触れられています。
そんな人々を「橋をかける」という表現をしていますが、子育てをする時または生きていく時「橋をかける」ことをすることで、生き方がより楽になり、人とつながりながら生きていけるのではないかと思いました。
もちろん、児童文学のことについてやその周辺について述べられていますが、子育て中の親御さんが読まれたら、張り詰めて子育てをしている気持ちが軽くなるように思いました。
「苦しかったら『苦しい』と言えばいい。『助けて』と言えばいい。「手伝って」と言えばいい。私たちは、小さい時から『迷惑をかけるな』と言われて育っていますけど、迷惑をかければいい」という個所などは特にそう思いました。
自分勝手な個人主義には正直閉口しますが、助けてくれる人がいてその人が迷惑と思わないなら、助けてもらうというのもいいことだと思えるのです。
子どもに本を読むことも、子どもと絵本との間の橋をかけるということかもしれません。
子育て中でも、何かできそうだし、自分でも何かできることを考えるきっかけになりました。