主人公の「だいちゃん」は、きっとこの絵本の作者である太田大八さんの子供の頃なのでしょう。
いとこのこうちゃんの家で夏休みを過ごすだいちゃん。
このお話は、そんな夏休みの1日を切り取った、絵日記のような仕上がりです。
朝早く、漁から帰って来たうたせ舟に魚を貰いに行き(それも味噌漬や沢庵と物々交換!)、朝ご飯を済ませたら川で川えび取り。その川えびを餌にしてきすやタイを釣り、お昼はその釣った魚をお刺身にして、磯で取った貝を入れたご飯を炊き、砂浜でいとこ達と一緒に食事。午後もめいっぱい海で遊んだら、帰りはみんなでのんびり歩いて帰る。日が暮れる頃、庭に作ったやぐらから今日1日遊んだ海が見える…そして「晩御飯ができたよう」とお母さんが呼ぶ声。
大きな出来事は無いけれど、なんて素敵な夏休みでしょう!
思い返せば私自身も田舎の出身なので、夏休みと言えば朝から晩まで外で遊んで、真っ黒に日焼けしていました。
息子は小学生になったら、どんな夏休みを過ごすのかな。
時代が変わったのかもしれないけど、クーラーの効いた部屋で一日中テレビゲーム…なんて思い出だけでは淋し過ぎますね。
絵本の中のセリフは長崎の方言そのままになっていて、読み聞かせする時に最初戸惑いましたが、子供はすんなり受け入れてますね。方言の温かみも伝わっているようです。
夏休みに絶対おすすめ!の一冊ですよ。