もうすぐ節分で、「絵本ナビ」の評価も良かったのでこの本を3年生の読み聞かせで使ってみました。
作者の故郷、広島県の能美島のすぐそばの敷島という無人島があります。もとは、鬼が引っ張ってできた島…引島(ひきしま)とよんでいたそうです。
この島に赤いけむくじゃらの鬼がひとりぼっちですんでいました。毎日、さみしかったので通りかかるものや人や鳥などに「あそんでいけ!」と声をかけるけれど、鬼の居る島なんて誰も寄り付きはしませんでした。
嵐で助けを求めてやってきた漁師たちに人間と一緒に暮らす方法を教えてもらったけれど・・・努力して人間のところに行ってもみんなに追い出されてしまいます。
さみしさの残るそして何か考えさせられる絵本ですが、この島の本当のお話は、鬼は力尽きて死んでしまうそうです。しかし、作者の山下明生さんは、この鬼を死なせたくなくてどこまでも海の中を歩かせたそうです。
娘の学級で読んだのですが、帰ってから、お友達が「面白かったって言ってたよ〜。」という言葉を聞いて、なんだかいろんな意味でほっとしました。
こういう絵本は、最近作られていないのではないでしょうか?とてもいいと思います。