なんということはないのだけれど、りすとかえるの関係性と、ふたりを包む世界がとても心を静めてくれる、癒しであるような絵本です。
りすはかえると一緒に知らない世界に旅にでたいのです。
かえるもりすと一緒にいたいのです。
お互いに相手の家を訪ねて、そのすれ違いが、ふたりの想いを膨らませているような感じです。
りすの乗った舟を、風の妖精が押している情景は、水の流れと溶けあって、幻想的でもあります。
うえだまことさんの淡い絵の世界と、巧みな言葉選びが、さりげないふたりの世界を、とてもくすぐったく演出していました。