偕成社の「ワンダーランド」シリーズは良質な作品が多いように思います。
少なくとも、私の好みにはど真ん中です。
そして、富安さんの作品にも、今ハマっています。
「ぼっこ」がよかったんです。「菜の子先生」シリーズがサイコーによかったんです。
ただ、この話は「ほこらの神様」の神通力っぽい不思議が少々描かれていますが、これまで読んだ話に比べると、かなり現実色の強いストーリーでした。
子ども達の人間関係とか、いじめとか、習い事とかね。結構しっかり描かれているんですよ。
大人から見ると、この物語で描かれているいじめは、ホントにちょっとした原因なんですけど、
同世代の子どもたちには、すごく共感できるところもあるんじゃないでしょうか。
この本の本意は、そんなこと(いじめ)を言っているんじゃないのかもしれませんが、
私の読んだ感触は、神がかりなファンタジーよりも、等身大の小学生が、「いじめ」に対処する話に思えて仕方がありませんでした。
どこか、あさのあつこさんの「復讐プランナー」を感じさせるものがありました。(深読みしすぎでしょうか?)
でも、そこまで考えなくても、富安さんらしい、楽しいテンポでストーリーが展開していくので、中学年位からのお子さんでしたら1人読みで読めると思います。