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連載

岩崎書店 えほんができるまで 作家インタビュー

岩崎書店様

2017/12/14

【連載】不朽の名曲「IMAGINE」が新たに絵本としてよみがえりました。

【連載】不朽の名曲「IMAGINE」が新たに絵本としてよみがえりました。

2017年もあとわずか。1年を振り返り、「今年も平和に過ごせたね」「来年も良い1年になるといいね」と言葉を交わすことも増えることと思います。
しかし、世界を見ると、テロや内戦、貧困など、「平和」から遠く離れた暮らしを送る人々も数多くいることに気づくのではないでしょうか。
そんなとき、改めて耳を傾けたくなるのが、名曲「IMAGINE」。
ビートルズ解散後、ジョン・レノンが発表した曲で、発表当初から全米、全英の音楽チャートの上位を占めるなど、世界中で高い注目を集めました。
リリースから40年以上経つ今でも、多くの人々の心を打ち、世界中で歌い継がれている「IMAGINE」が、この度、絵本として新しく生まれ変わりました。

IMAGINE イマジン <想像> IMAGINE イマジン <想像>」 詩:ジョン・レノン
絵:ジャン・ジュリアン
訳:岩崎夏海
出版社:岩崎書店

1羽のハトが一生懸命に伝えまわっているもの。
それは国や何もかもを越えた平和と友愛。
ヨーコ・オノ・レノン氏が協力し、序文を特別寄稿。
アムネスティ・インターナショナルとの共同企画によって刊行された絵本。
巻末には原詩とアムネスティによるあとがきを掲載。

「IMAGINE」の詩に合わせ、世界中を旅するのは、1羽のハト。
ハトは、人の住む町から海へ、そして空へ――。仲間の元を訪れ、争う鳥たちを仲裁し、孤独な鳥たちの肩を抱きしめます。

そうして、旅先で出会った仲間たちに、自分の持っている、ある植物を受け渡していくのです。

ハトがなぜ、旅をしているのか、鳥たちに植物を渡しているのか、絵本の中には一切説明は出てきません。
しかし、この詩の意味、そして生前、ジョン・レノンが世界平和を訴えていたことを知る人は、
ハトは平和の象徴であり、ハトが持つ植物が同じく平和の象徴であるオリーブの葉だということに気づくのではないでしょうか。

やがて世界中を旅したハトは、木の上で疲れた体を休めます。

夜も更け、再び目を開いたハトの前に現れたのは……。

この絵本の絵を担当した、ジャン・ジュリアンさんは、フランス出身のイラストレーター。
グラフィックデザイナーとしても活躍されていて、アート、書籍、写真、映像、アパレルなど、その活躍は多岐に渡っています。
絵本、『ホーホーはらへりフクロウさまだ!』(BL出版)の絵も担当しています。
また、日本語訳を担当したのは、映画にもなったベストセラー書籍、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの「マネジメント」を読んだら』(ダイヤモンド社)を執筆された岩崎夏海さんです。
絵本の冒頭では、ジョン・レノンの妻であり、世界的なアーティストとして活躍しているオノ・ヨーコさんがメッセージを寄せています。

「IMAGINE」が発表された、1970年代は、世界的に見てもまさに激動の時期。
ベトナム戦争の泥沼化、ドル・ショックによる世界株価の暴落。
日本でも、よど号ハイジャック事件や、あさま山荘事件、第一次オイルショックなど、社会情勢を大きく動かす事件がたくさん起こりました。
「IMAGINE」はそのような時代に、全く新しい世界、価値観を示すような曲だったのかもしれません。
「IMAGINE」が生まれてから約40年。今、私たちの周りを見渡してみて、はたしてジョン・レノンが示した世界が、私たちの目の前に広がっているのでしょうか……。
変わらず世界は争いを繰り返し、殺伐とした事件が、世の中をにぎわせているのではないでしょうか。
ジョン・レノンが「IMAGINE」に込めた平和への思い、友愛への気持ちが、絵本『イマジン』を通じて、これからを担う子どもたちへ。
そして子どもたちを見守る大人へ、深く浸透していくように。
そんな思いを込めて、この絵本は出版されました。
ジョン・レノンが訴えた、そして、世界中の人々が望む「平和」。
1年を振り返るこの時期に、この絵本を手に、家族で想像してみてはいかがでしょうか?


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