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岩崎書店 えほんができるまで 作家インタビュー

岩崎書店様

2017/08/24

【連載】『こんやはてまきずし』五味ヒロミさんインタビュー

【連載】『こんやはてまきずし』五味ヒロミさんインタビュー

子どもたちの好きな食べ物と言えば?
カレー? ハンバーグ? ……も、あるけれど、やっぱり、お寿司!
お出かけして食べる「回転寿司」も良いけれど、家で食べる「手巻き寿司」は、お家でできる特別なごちそうです。
今日、ご紹介するのは、家族で楽しく手巻き寿司を食べる様子を描いた『こんやはてまきずし』(絵:石井聖岳)。

こんやはてまきずし こんやはてまきずし」 作:五味 ヒロミ
絵:石井 聖岳
出版社:岩崎書店

ユーモアいっぱい。家族で手巻き寿司!
いただきまーす! あたしはサーモン。けいたはイクラばっかり食べている。おばあちゃん、いかとたこで迷うのはいいけどよくとかんでね。
どんどん巻くよ! 今夜は手巻き寿司。

酢飯を作って……
中に入れる具を用意したら……
さっそく巻いて、めしあがれ!
石井聖岳さんの描く、お寿司のおいしそうなこと!
絵本を見ているだけで、お腹が空いてきてしまいます。
『こんやは てまきずし』の文章を担当した、五味ヒロミさんは、3人のお子さんを育てながら、「絵本作家」「病棟保育士」「革小物作家」の面も持つ、スーパー・ママ。
このおはなしが生まれたきっかけは、ご家庭での体験がベースになっているのだそうです。
五味:我が家でも、手巻き寿司はとても人気のメニュー。絵本に出てくるサーモン大好きな「あたし」は次女を、イクラばっかり食べる「けいた」は、長男をモデルにしています。長男は、手巻きずしの間、ずーっと、イクラ、イクラ、イクラ、ときどき納豆と食べるんです(苦笑)。

ご家族のとっても仲の良いようすがうかがえますね。
『こんやは てまきずし』を書いたときは、子どもに人気の寿司のネタを調べて、絵本にも生かしたという五味さん。
お子さんが好きな、サーモンやイクラが、人気寿司ネタの上位にランクインしていたことに、ビックリしたのだそうです。
そんな五味さん、作品を書くときは、一貫して「家族」テーマにすることが多いのだと言います。
五味:『こんやはてまきずし』は食べ物のおはなしですが、お父さんが手巻き寿司のおいしい巻き方を子どもたちに伝えていたり、イカとタコ、どちらから食べようか迷っているおばあちゃんに「よく かんでよ!」と心配したりする場面が出てきます。
こういう家族団らんの場面を描くことで、絵本を読んだ後、それぞれのご家庭で「今夜は、手巻き寿司にしようか?」と言ってもらいたいと思いました。そして、お腹いっぱいお寿司を食べた子どたちに、「よく たべるように なったなあ」「つぎは もっと ごはんを たかなくちゃ〜」と言うお父さん、お母さんの姿。
我が家でも、ご飯を炊く量が子どもの成長を感じる瞬間だったので、ここは、特に思い入れの強い場面ですね。
●保育現場でも活用できる『おいしいまんまるさん』
五味さんのデビュー作『おいしいまんまるさん』は、「まんまるさん」「さんかくちゃん」「しかっくん」というキャラクターが、いろいろな食べ物に変身する、赤ちゃん絵本です。

おいしい まんまるさん おいしい まんまるさん」 作:五味 ヒロミ
絵:わたなべ あや
出版社:岩崎書店

まんまるさん まんまるさん
あかい まんまる なあに?

丸くて赤いたべものは?
四角くて白いたべものは?
三角で黒いたべものは?

丸いたべもの、四角いたべもの、三角のたべのもを、ページをめくりながらあてっこしましょう。
リズムが楽しい色と形と食べ物の絵本。

五味:絵本では、まんまるさんも、さんかくちゃんも、しかっくんも食べ物に変身していますが、最初に考えていたテキストでは、「まんまるさん」は生き物、「さんかくちゃん」は食べ物、「しかっくん」は乗り物に変身する、三冊シリーズの予定でした。それを、編集者さんからのアドバイスで1冊にまとめてみたところ、出版が決まったんです。

そんな制作秘話があったなんて、ビックリですね。
はじめての絵本が出版されたとき、五味さんはご自身の勤める病棟保育の場で、『おいしいまんまるさん』の絵本を読み聞かせたそうです。
五味:赤ちゃん絵本なので、「4,5歳くらいの子にはつまらないかな……」と思ったのですが、絵本を読んだ後、子どもたちが率先して、おり紙で「まんまるさん」や「しかっくん」の工作を作って遊んでくれたんです。「そういう発展のさせ方もあったのか!」と驚くとともに、私が思っている以上に保育の現場で生かせることが分かって、嬉しかったですね。
子どもたちの作品を見せていただきました。
五味さんの勤める病棟には、病気のため食べ物に制限がかかっている子も多く入院しています。そんな子どもたちに食べ物の絵本を見せることに対して、最初は戸惑いを感じていたのだそうです。
しかし、病棟保育士の同僚から、「食べられないからこそ、こういう絵本を読んで、“治ったらこういうものを食べたいね”“頑張って食べられるようになろうね”と目標になるのよ。だから、こういう食べ物の絵本をたくさん作ってね」と励まされたそうです。
五味:私のコアな部分は、「家族」や「子どもの成長を見守っていく」というおはなしだと思っています。これからもその部分はぶれないようにしながら、病棟保育士という子どもたちに近い立場にいるということも、改めて考えながら、多くの子どもたちに楽しんでもらえるおはなしを作っていこうと思います。
五味ヒロミさんの作品を、これからも応援していきたいですね。



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