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ぬまの100かいだてのいえ ミニ

ぬまの100かいだてのいえ ミニ(偕成社)

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どうぶつのわかっていること・わかっていないこと

どうぶつのわかっていること・わかっていないこと(小学館集英社プロダクション)

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連載

岩崎書店 えほんができるまで 作家インタビュー

岩崎書店様

2017/11/02

【連載】『お世話遊びとボタンの練習 ペネロペのおうち ペネロペマスコット付き』 編集者インタビュー

【連載】『お世話遊びとボタンの練習 ペネロペのおうち ペネロペマスコット付き』 編集者インタビュー

●広げた瞬間に歓声が上がる! メリーゴーランド型布絵本。
絵本やアニメなどで、子どもたちに大人気のペネロペ。
今回、ご紹介するのはペネロペの世界をメリーゴーランド型の布絵本で楽しめる『お世話遊びとボタンの練習 ペネロペのおうち ペネロペマスコット付き』です。
コンパクトにたたまれたページを開くと、ペネロペのおうちが立体になって登場!
お子さんの「わー!」「すごーい!」という歓声が聞こえてきそう。

お部屋は「寝室」「キッチン+ダイニング」「トイレ+洗面所」「お風呂」の全部で4部屋。
これは、お子さんの生活の基本でもある「睡眠」「食事」「排泄」「清潔」を、お世話遊びしながら、自然と身につくように考えられているのです。
お部屋は「寝室」「キッチン+ダイニング」「トイレ+洗面所」「お風呂」の4部屋。
ぺネロぺマスコットの洋服に、ついている大きな黄色いボタンにも注目です。
大きな黄色いボタンもポイント!
洋服を脱ぎ着させることで、楽しみながらボタンの練習ができるという優れもの。
ボタンとボタンホルダーはお子さんがやりやすいように大きいサイズなので、今までボタンを留めることが苦手だったお子さんも、きっとチャレンジしたくなることでしょう。
●アイディアの種は子育てから!
遊びながら、日常生活に大切ないろいろなことを身に付けることができるとっても画期的な布絵本。本書を編集した、岩崎書店の増井麻美さんは、3歳のお子さんを育てるママさんです。この絵本は子育ての中でアイディアを思いついたそうです。
増井:保育園に預けるようになると、保育園の先生といろいろお話をさせていただく機会も増えました。
すると、子どもに「食事」「睡眠」「排泄」「清潔」の4つを伝えることの大切さを教えてもらったんです。この4つをお勉強やしつけとしてではなく、楽しみながら身に付けることができないか……。
そう考えたときにひらめいたのが、子どもたちに大人気のペネロペを使った布絵本でした。

編集者の増井麻美さん。
実は、増井さんは以前も0歳のお子さんから楽しめる布絵本『ぬのえほんベビー ペネロペとあそぼう』を企画された経験があり、今回もペネロペと一緒に遊びながら、生活習慣が身につく絵本作りをスタートされたのだそう。しかし、その制作過程は苦労の連続だったそうです。
増井:フランスで生まれたペネロペのオリジナル絵本を日本で作る場合、フランスの版元と作家さんに許可をいただく必要があります。
今回の布絵本は、ペネロペのおうちをイメージしているのですが、フランスと日本では、家の構造など違いますよね。例えば、日本のお風呂にはバスタブは必要だけど、フランスはシャワーが中心……とか。絵本の中でペネロペのおうちは、当然フランス式です。ですので、日本式のお家にすることに、当初はNGが出てしまいました。「日本の子どもたちに生活習慣を教えたいので、日本になじみのない間取りでは意味がないんです」とお伝えして、最終的にご理解いただき、今回の布絵本の間取りで許可がおりたときは、本当に嬉しかったですね。
湯船につかってまったりしているペネロペの姿は、日本ならでは?
増井さんは、日本で出版されている布絵本やおもちゃをいろいろ調べ、『お世話遊びとボタンの練習 ペネロペのおうち ペネロペマスコット付き』の構造など、細部にわたるまで使いやすさを追求していきました。
制作過程で、増井さんが自作された布絵本の見本。
増井:メリーゴーランド型の布絵本があまり出版されていないこともあり、紙の絵本やおもちゃなどを見て、自分なりに小さいお子さんでも広げやすく、しまいやすい作りを調べました。
布の素材も、しっかりしていて、手触りの良いものにするなど、「触って気持ちいい」「遊んで楽しい」絵本を目指しました。
もうひとつこだわったのは、ペネロペのマスコットをつけること。これも子育ての中で感じた「ボタンのつけ外し」がアイディアのきっかけだったそうです。
増井:3歳くらいになると、指先の動きも発達して、物を上手につまめるようになり、ボタンのつけ外しにチャレンジするようになってきます。でも普段お子さんが着ているような洋服のボタンでは、小さすぎて、うまく扱えないんです。
それで、ボタンのつけ外しがなかなか上達しないお子さんも多いと聞き、ペネロペの服にボタンをつけ、練習ができるようにしました。
黄色い大きいボタンなので、練習にもピッタリですし、「ペネロペをお風呂に入れようか。洋服を脱がなくちゃね」と言えば、お子さんもお世話遊びの流れの中で、自然とボタンを外そうとすると思ったんです。

ペネロペのマスコットを手に遊びながら、「ペネロペもお風呂に入ったから、●●ちゃんも、お風呂に入ろうか」。「ペネロペと一緒に歯磨きをしよう」と親御さんが声をかけることで、ペネロペの世界とお子さんご自身の生活がリンクしていきます。
そうすることで、歯磨きやトイレトレーニングが自然にできるだけでなく、ボタンの練習もできる布絵本。増井さんは、男女問わず、多くのお子さんにこの『お世話遊びとボタンの練習 ペネロペのおうち ペネロペマスコット付き』を楽しんでほしいと言います。
増井:「ペネロペのおうち」という自分だけのおうちが手に入るワクワク感。そして、ペネロペのマスコットが自分自身のような、きょうだいのような身近な存在になるワクワク感。たくさんのワクワクをこの作品に詰め込みました。
お友だち、きょうだい、家族の方と一緒に楽しみながら、たくさん遊んでもらえたら嬉しいです。そして、親御さんは、お子さんがこの布絵本で遊ぶことで、ボタンのつけ外しや生活習慣が自然と身についていくことを、感じていただけたらと思います。


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