作者のキリーロバ・ナージャさんは、小学生の時に数学者のお父さんと物理学者のお母さんのお仕事の関係で、5カ国(ロシア・イギリス・フランス・アメリカ・日本)の学校に通いました。
この絵本には、その5つの国の学校に通う時の持ち物、教室の様子、学校での一日などが紹介されています。
それぞれの国の小学校とは違うところがたくさんあって、子供心にそれは不思議でとても刺激的だったのではないでしょうか。
そんなナージャから見れば日本は、みんな同じ黄色い帽子を被って同じランドセルを背負ってるのはなぜ?
さかあがりって? くみたいそうって? うわばきって? ぼうさいずきんって?
「って?」がいっぱい。
ナージャの視点を通して5つの国の文化が垣間見れると共に、私たちの当たり前は当たり前じゃなかったんだ!という発見があります。
太陽を黄色じゃなくて赤で描くんだよね、不思議!と、ナージャに言われて、そういえば…そうよねって思ったり。
最後は、こんな教室があったら、とナージャと弟のサーシャが想像して、読者に「きみならどう?」と問いかけて終わります。
グローバル、ダイバーシティの時代と言われてもなかなか実感がわきにくい日本人ですが、
世界に目を向けるまず第一歩として、この絵本は楽しい入り口になるでしょう。
字が読めるようになった頃から小学生全学年向き。
シンプルで可愛いイラストがとても読みやすく、プレゼントにも良さそうです。
(山田裕子 小学校司書)
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