新しい日本の歴史の幕開けとなった明治維新の大偉業を成し遂げ、日本の近代化に貢献した西郷隆盛。その思想の根幹をなす「敬天愛人」の世界。
それを紡いだのが、沖永良部島での1年6か月に及ぶ幽閉の日々。
狭い牢獄に幽閉され、牢生活は想像を絶する程過酷な道のりであったが、死をもってその潔白を示すことではなく、生き抜いていくことで真実を明らかにし、邪を排し正義を守り抜く道であると考えた。それは天が西郷に与えた試練であると悟って座禅を続けます。そして不思議な程西郷自らが生まれ変わっていく自分を見つめることができるようになります。沖永良部島の酷遇された牢生活を耐え忍んで生きることが出来たのは、まさに「敬天愛人」の信仰的哲学に達していたればこそである。本書では沖永良部島での幽閉の全容と島民、牢獄監視役の土持政照との触れ合いを通じ、西郷隆盛=西郷どんにどのような影響を及ぼしたかを明らかにする。
また、日本語版とともに英訳版も1冊に収め、多くの外国の方々にも沖永良部島における西郷隆盛の生き方を理解してくださるように構成した。
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