5つの大陸と7つの海を越えて孤独の壁を貫く、詩のことば
世界中でロックダウンが始まった頃、世界各地の詩人100人が短い連をメールでリレーしながら紡いだ一篇の長詩。
<自主隔離>をテーマにしたその長詩を、韓国の詩人たちから寄せられた8篇の返歌とともに、日本語と英語の2言語で掲載。
?収録作より
?「礼儀作法について。夢に見た。何度も何度も
友人や見知らぬ人の手から慌てて自分の手を引っこめる
握手禁止の決まりをうっかり忘れて
眼が覚めても手のひらにほんのりと残っている
人肌に触れた感覚、恥ずかしくて
忘れてしまいたい昔の失敗の記憶のようにの中に」
シオン〔アイスランド・レイキャビク〕
「一人でいると夢だったものが
一緒にいると希望になった
夢は会うことを夢見て
希望は孤独死しない
希望に満ちた夢 夢みたいな希望」
オ・ウン 〔ソウル〕
プロジェクトを企画したイオアナ・モルプルゴから日本の読者へのメッセージ
「精神的な休息を必要とするとき、この世界から逃げこんでゆくことのできる秘密のシェルターのような場所が、私たちひとりひとりにとって必要です。今回の連歌に参加した百人の詩人すべてにとっては、それを書くという行為そのものが、まさにそういう場所として機能しました。今完成したそれを読むことが、あなたにとっても秘密の「隠れ家」となりますように」
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