チャイコフスキーが1878年に作曲した、ヴァイオリンとピアノのための小品集。憂鬱さや苦しさがありながらもドラマチックに展開していく1曲目「瞑想曲」、急速で激しい部分と伸びやかな歌のような中間部分の対比が印象的な2曲目「スケルツォ」、おだやかで美しい旋律のなかに一抹のさみしさの漂う3曲目「メロディー」の3曲で構成され、チャイコフスキーならではの切ない旋律美を堪能できる名作です。
1曲目は当初、ヴァイオリン協奏曲の第2楽章として構想されましたが、短すぎたためチャイコフスキー自身が却下。それを改作した作品が「瞑想曲」として生まれかわり、そこに新たに「スケルツォ」「メロディ」が作曲され、「なつかしい土地の思い出」全体が完成しました。グラズノフによる管弦楽伴奏版も広く知られています。
本版には、日本を代表する名ヴァイオリニストである徳永二男による、示唆に富む運弓・運指を付しています。
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