友達に嫌われまいと無理する“きいろオニ”に、新しい出会いが。
いじめ問題に希望を与える講談社児童文学新人賞受賞作家の新作童話。
ある山のおくに、きいろいオニがすんでいました。なかよしだったやまんば一家がひっこしてしまってから、きいろいオニはひとりぼっち。毎日たいくつだったので、山を下りて人間のすむ町に行くことにしました。
町につくと、こどもたちのたのしそうなこえが聞こえてきました。おおぜいのこどもたちが、べんきょうをしたり、うんどうをしたり、うたったり、あそんだりしています。そこは、学校というところでした。
──本文より
赤でも青でもない、きいろのオニはお手玉が得意です。そんなきいろいオニがある日人間の学校にやってきて友達をつくろうとしますが、子どもたちに、きいろなんて、変なオニ、と言われて悲しくなります。きいろオニは子どもたちに面白がってもらうためにどろだらけになってお手玉をしたり、校長先生にアッカンベーをしたりと、いろいろ無理をしてしまうのですが……。
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