森の小さなお裁縫屋さんに住む、子鹿の三姉妹のお話。
今回の主人公は「かじっこ」。
いちばん上のお姉さんで、しっかり者のお世話好きです。
いつものように妹たちとお母さんのお店を手伝っていると、リンリンリン!お店の電話が鳴りました。
電話の主はおばあちゃん。
「かじっこちゃん、ししゅうのいとが おわってしまったから もってきてほしいの」
かじっこは、山の上のおばあちゃんの家まで、糸を届けにいくことにしました。
道の途中で、帽子をめぐってケンカする3匹のこぶたや、つりばしがこわれて困っている虫さんたちに会います。かじっこは刺繍糸でお手伝い。
そして、山のお茶会でも刺繍糸はすてきな役割を発揮して・・・。
おやおや、かじっこはおばあちゃんの家に糸を届けられるのかしら?
心配ごむよう!のハッピーなエンディング。
可愛いもの大好きな子どもたちが(もちろん大人も)ひととき幸せな心持ちで眺めるのにぴったりです。
さかいさちえさんは「ちいさなちいさなポコポコ絵本シリーズ」で人気の作家さん。
そのキュートな絵柄と、明るくてレトロな色あいに癒されそう。
見どころはいろいろありますが、食いしん坊乙女がときめくのはやはりお茶会シーンでしょうか。
かじっこの前に、24個(!)の色とりどりのティーカップとソーサーが並ぶ絵も必見です。
ほかに、次女が主人公の『こじかじじっこ もりのはいたつやさん』、末っ子が主人公の『こじかこじっこ ボタンをさがして』があります。
3冊並べてみると、きっと可愛さ倍増ですよ。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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