最初に本屋さんの絵本コーナーで手にしたとき、ちょっとまわりを見渡すほどうろたえてしまった。
ページをめくってさらにうろたえてしまった。
決して危ない本ではなのだが、妙に艶っぽいのである。
おとひめさまの艶容さと、うらしまたろうの怪しさ。
うらしまたろうの絵を宇野亜喜良が描くとこんなことになるのだろうか。
話の展開も妙である。
竜宮城も妖しげだし、助けたかめが乙姫様だというのもスゴイ展開。
おじいさんになったうらしまたろうが、またおとひまさまと結ばれるというのも奇想天外物である。
とはいえ、那須田淳は児童文学者で作品も多い。
けっして妖しい人ではないのである。
宇野亜喜良の怪しさが災いしたのかもしれない。
などと言いつつ、この絵本は大人の男性陣には結構楽しい。
昔話もここまでアレンジされると別世界になるということである。