フィリピン民話の再話。
物語は、みふうずらの夫婦が出かけた先から戻ると、卵が割れてしまっているシーンから始まります。
みふうずらとは、ツル目ミフウズラ科の鳥。
全長約14センチ、ウズラに似ていて熱帯アジアに分布し日本では南西諸島に生息するとのこと。
そばに、馬の足跡があったので、夫婦の犯人探しが始まるのです。
馬と会い、みふうずら夫婦はこう尋ねます。
「うま うま
どうして わたしたちの すのうえをかけたんだい。
わたしたちの たいせつな たまごが われてしまったじゃないか。」
馬はこう答えます。
「それは なんとも おきのどく。
にわとりのやつが ぎゃあ ぎゃあ さわいだので、びっくりして かけだしたのさ。」
馬の次は、にわとりに尋ね、その繰り返しが続きます。
文章自体は、つみあげうたのような要素が盛り込まれています。
また、動物達は、みふうずらについていくので、どんどん行列が長くなるというのも、楽しい光景だと思います。
最後に、人間に到達するのが何とも皮肉。
でも、そこで終わってしまう、みふうずらの夫婦の姿が一寸可愛そう過ぎる気がします。
この絵本は、物語の内容を楽しむというよりは、つみあげうたという言葉遊びを中心に楽しむ類いの絵本だと思います。
みふうずらと、動物のやり取りは、子供の大好きな繰り返しなので、きっと子供の共感を得るものでしょう。