大人が読んでも十分楽しめる絵本。
表現がロックです。心の叫び。
詩の面白さ全開。詩というと、かしこまった、繊細な印象があったのですが、
この本の詩は、皮肉とユーモア。ジョークともいえる。
子どもの頃の私が読んだら、笑うだろうし、共感する部分もあるだろうなあ。
しかし、そろそろ四十を迎える私が読んでも、笑って、共感して、驚いて、あきれて、ばかばかしくて、でもほおっておけなくて、愛着を感じてしまいます。
人生経験があってもなくても、こういう気分になるよね〜と思ってみたり、
そんなこと考えもしなかったけど、たしかにそういうこともあるかも!と驚いたり。
ページをめくるごとに、新しい世界が広がります。
新しい世界・・・というよりも、新しい感性。感じ方、考え方、個性・・・そういうものに出会います。実に激しい出会いです。元気がない時は、いい刺激になって、妙な励まされ方をします。
太ったオヤジばっかり出てきて、オヤジ臭がするような画面です。
実際はアイスクリームや、赤ちゃんも登場するのに、全員「オヤジ」に見えてしまうのが、この本の面白い仕掛けなのか?!
そして、全員、ままならない現実に直面しています。
人生は、思い通りにいかないのよ。
この絵本を見てしまった子どもたちは、きっとそういうふうに励まされていくのかもしれません。いいことばっかりじゃないって、いつかは気が付くもの。
自分の子ども時代も、思い返せば、欲しいものが買ってもらえなかったり、他の子よりも不細工な自分に気が付いてしまったり、ままならない現実に直面しまくりでした。
厳しい現実は未だに続きます。この絵本で励まされ、先に進みましょう。