久しぶりにつくしを見つけた。
久しぶりというのは、十年以上の単位で、もう忘れかけていたぐらいだ。
それが先日ひょっこりとご対面となった。
なんだ、いっぱい出てるじゃない。これだけあれば子どもたちだって見つけられる。でも、見つけたのが大きな道路の脇だから、子どもたちがつくしを取るにしては危ないだろう。それに、今の子どもたちがつくし採りをするとも思えない。
「まゝ事の飯もおさいも土筆かな」。星野立子の俳句だが、「まゝ事」をしている子どももとんと見ない。
ちなみに、「土筆」はつくしと読む。
それからしばらくして、つくしの絵本を見つけた。
昔の絵本かなとページを開くと、有名なコンビニのロゴだとはっきりわかるレジ袋から始まるので意外な気がした。
つくしだって、古くはないんだ。
ついている文は「はい! おみやげ。」、コンビニでのお買い物ではなく、そこにはいっていたのはたくさんのつくし。
どうするのかって。
食べるのです。「つくしのてんぷら、たまごとじ、つくしごはんに、やきたてのつくしもとってもおいしい。」
知らなかったな、つくしを材料にしてこんなにたくさんの料理ができるなんて。
そこで、つくしを探しに行くのだが、ここでは野原まで行くことになる。
都会で野原はなかなかない。せいぜい道路の脇か。これは勧めない。
だから、絵本の子どもたちに教えてもらおう。
何しろ、この絵本ではつくしの土の中の様子もばっちりと描いているのだから。
こんな言葉を知っているだろうか、「つくし だれの子 スギナの子」。
そう、つくしとスギナは一本の根っこでつながっているんだ。
この絵本は科学の好きな子どもには最適だろう、つくしとスギナの関係、土のなかの根についている「たま」のこと、その根っこの断面図なんていうのも描かれている。
そうか、この絵本は「かがくのとも」に載った作品なのだ。
つくしを見たことのない子どもだっているだろう。できれば、つくしが出ている場所に連れていってあげたら、この絵本の素晴らしさを実感できるだろうな。