世の中では、12月24日ってなんとなくうきうきそわそわした、落ち着けないような特別の日、そんなイメージがありますよね。
でもこの主人公の男性の12月24日の朝はいつもどおり、だけれどもおごそかに始まります。
パートナーとなるべき、となかいたちに声をかけ、エサをあげていつくしみます。
スモークチキンと自家製ジャムのサンドイッチはお昼ごはんでしょうか。半分残して夜のお弁当。
例の衣装の取れそうなボタンも自分で縫い付けます。
誠実そうなひととなりが手に取るようにわかります。
こんな素適な彼からのプレゼントは、末永く大切にしてほしい。
つーんとした冷たさが感じられる外の景色と対照的に読んでいくと心が温まる。
黒井さんの描かれる冬が大好きです。
静かに進む物語は読めば読むほど味が出る。そんな絵本です。