物心ついたときにはもう、お母さん鳥がいなくて、
それでも遠くに行ったのだと帰りを待つ。
お父さん鳥は、ただただ静かに子どもを見守る。
そんな、むくどりのゆめとは・・・。
子どものむくどりには
10日という月日が、1年それ以上に長く長く感じられる情景が
切なく伝わってきます。
かさこそと音を立てる1まいの葉に、
母親の羽音を連想し
つなぎ止めるしぐさは何とも切ない。
夢に出てきた
白い、真っ白い母親・・・・。
それを、あの葉だと感じながら雪を落とす姿は
子供を持つ母親として、・・・・たまらないです。
お父さん鳥の心情も、いろいろ想像できます。
9歳と8歳の娘もじっくり読み聞かせに耳を傾けていましたが
ラストの余韻を味わえず、
「え?そこでおしまいなの?」
「むくどりはどうなるの?」
と、気にしていました。
年齢を重ねるごとに読み深めて欲しい1冊になりました。