春風の子、とぷうのおはなし。
とぷうは、家族と丘の上にやってきて、さっそく仲間と遊び始めます。
かげろうと戯れ、街の中を通り、幼稚園児たちと動物園へ。
ところが、先に遊んでいた春風グループとけんかになってしまうのです。
春風がけんかをすると・・・、つむじ風になるって、
なんだか説得力があります。
しかも、頭の後ろに渦巻き(つむじ)がついてしまうなんて、愉快です。
いかにも子どもらしい展開で、共感できました。
なるほど、子どもにとって、春風って、なかなか体感しにくいですが、
こんな造形なら親しみやすいですね。
とぷうに、わかりやすい迷子札がついている配慮もうれしいです。
これなら、主人公を見失うことがありません。
絵が少し古風だなあ、と思ったら、やはり、1969年初版の作品。
団地や商店街といった街の光景が、なんとも懐かしかったはずです。
でも、おおらかな春風の造形は今の子どもたちにもぜひ味わってほしいです。