「ねことらくん」 ママの声

なんだか、ちゃっかりした猫のペースに乗せられて進むお話です。
勝手に“ゆうじ”の部屋に入ってきたくせに、「君は僕になれ」だなんて。
で、都合よく ゆうじを外に追い出して一人遊びを楽しみ、
お母さんに「お昼だから片付けなさい」と言われると、
帰ってきた ゆうじから風船を取り上げて帰っていく。
ゆうじは これで納得しているのかしら？

作者の思惑としては、気ままな猫によって展開する、
不思議な世界を描きたかったのではと推察しますが
あまりにも猫が勝手すぎて 消化不良なまま終わってしまった印象です。

かわいい表紙に惹かれて図書館で借りてきました。でも内容は少し期待はずれです。ちょっと期待が大きすぎたからかな。タイトルにもあるこの主人公のねことらくんはわがまま過ぎます。ゆうじくんはひとがよくていい子なんですが。この絵本を通じてどういうことを言いたかったのかがよくわかりませんでした。残念。

しっぽとチョッキをとりかえっこなんておもしろいストーリーです。
特別な物を身につけたら、強くなれちゃうなんて、○○ヒーローみたいです。
でも、子供ってそういう願望やあこがれがありますよね。
ゆうじくんもいつもとちがった自分を体験できたことでしょう。
息子は「ぼくはねことら、ねこはねこでも　とらぐらい　つよいんだぞ」ってところで、
ねこがあまり強そうではないので　おかしいと言っていました。

読み終えたと同時に娘は、「ねことら、ずる〜い！！お片づけもしないで帰っちゃったよ。」と言いました。確かにゆうじくんのおもちゃでいっぱい遊んだのに散らかしたままで、ゆうじくんの風船を持って帰っちゃったのですから・・・。でもそれも文句を言うことなくちゃんと片付けておやつを食べるゆうじくんは偉いね！って・・・話しながら娘とお茶しました。

ゆうじが家で遊んでいるとネコがやってきて、
「しっぽとチョッキを交換しよう。」といいます。
ゆうじがしっぽをつけると、強い「ねことらくん」になって大活躍します。
そして、ゆうじが家に帰ってみると・・・

なんか、すっごくゆうじくんはいいことしたのに、家に帰ってみると、
家の中が散らかって片付けないといけないし、
せっかく貰った風船はネコにとられるしで、
いいことないじゃんて思ってしまうのは、私だけ？

ネコもゆうじくんも、結局満足しているみたいだからこれでいいのかな？
ゆうじくんが、ねことらくんで頑張っている時は楽しかったけど、
やっぱり最後は納得いかない私でした・・・

娘は、ゆうじくんが活躍するところが良かったみたいです。

ねこの”しっぽ”とゆうじの”ちょっき”を取り替えるなんて、その発想がとっても面白いです。
それも、”ぽん”と簡単に取ったりつけたりするなんて！！

それにしても、この”ねことら”のずるがしこいこと！！
片付ける時間になると、また、人間からネコに戻って、有事から、風船としっぽを取って、行ってしまいました・・・

それでも、仕返しも意地悪もしないゆうじの人のよさが、とっても印象的なお話でした。

ゆうじという男の子とねことらというねこが、チョッキとしっぽをとりかえて、ゆうじがねことらに、ねことらがゆうじになりました。（チョッキを脱ぐのは驚かないけど、しっぽをとったのには驚いた！）　ねことらになったゆうじが外へ出掛けていくと、いろいろな動物に出会います。からす、くまのおばあさん、うさぎのおかあさん。ゆうじの力持ちと勇気にみんなびっくり。

ゆうじと聞いて、『そらいろのたね』を思い出しました。続編かなと思って見比べると似てない…。たまたま？　『そらいろ…』ほど登場人物（動物）は多くないけど、それぞれのやりとりが楽しいです。元に戻って、ゆうじが食事をしている場面、ねことらが風船を持って帰る場面（裏表紙）、どちらも満足そう。ねことらくんの気まぐれで、またとりかえっこもありそうな（＾-＾）

「そらいろのたね」のゆうじくんと思われる男の子が主人公です。
ある日ふと現れた”ねことら”（見た目はネコだけど、ちからはトラ）と入れ替わり、ねことらになったゆうじくんが、あちこちで大活躍するお話。

とっても不思議でワクワクの体験をした割に、何事もなかったかのように元に戻って、フツーに日常を送る終わり方がとてもいいです。