スイスの豊かな四季のなかで成長してゆく子供たちの姿。
ナシ・シラカバ・メギの木をめぐる鳥たち・動物たちとのふれあいを
通して、のびやかに・・。
素晴らしい絵本ですね。
スイスという風土のなかで暮らした作者カリジェにしか出せない
その土地の空気を感じさせるこまごまとした描写。
文章は長くてちょっと大変なのですが、読みながらその豊かさに触れて
こちらの心までゆっくりと満たされてゆくような・・そんな世界なのです。
だいじにしていたビーズの赤い袋を無くしてしまったバベティン(女の子)と、
木の上にできた巣を楽しみに覗いていたら、巣が壊されて悲しい思いをしたビトリン(男の子)。
とくにビトリンと鳥の巣のお話では、一度目の残念な結果に
次回の反省が活かされて、ビトリンの自然との向き合い方に成長が
見られます。
こうやってひとつひとつ学んでゆくのね・・・と。
どのページもよいのですが、はじめの1ページめのスイスのおうちと、
雪の積もった冬の日のおうちの描写がとくに好きです。
スイスに昔旅行したときに、こんなおうちが並んでいたのを思い出します。
しみじみ味わいたい1冊。
(できれば手元に置いて・・!)