秋田県に伝わる昔話で、絵本になっているのを知り、読み聞かせに使いました。
表紙いっぱいに描かれた絵は郷土玩具の「べらぼう凧」の絵柄でインパクトがあります。(ぎょっとするくらい)
ストーリーは、
渡し守が川で死んだ座頭坊様を見つけ、憐れんで埋めてやったところ大きな木が生え、不思議な花が咲く。
詰めかけた見物客によって、渡し守と村人達には お金がもたらされる。
花が終り、静かになった村では、坊様の木の下で子供たちが遊んでいる。
やがて、木には「子どもの喜ぶものばかり」たくさん実り(前述の べらぼう凧もここに描かれています)、子どもたちの手元に落ちてくる・・・というもの。
小学生の子どもたちからは、流れてきたのが「死んだ人であった」というくだりで「えっ・・」と驚きの声がもれ、その後集中して聞き入っていました。
折込ページ?というのか、3ページ分使った大きな絵が2か所あるのですが「すごーい」という声がもれていました。
良い香りを漂わせる花と、花に座った座頭達のおはやしの音、それが川を流れていく光景。子どもたちの歓声と色鮮やかな玩具。
べらぼう凧の、舌を出した異様な顔には魔除けとしての意味もあるようですね。
大事な子供を守るための魔除けでしょうか・・・。
それを知ると、死んだ座頭坊様が木となったあとも子どもを見守る優しいまなざしと、子どもを象徴するとともに子どもを守るものとしての凧とがだぶって見え、なぜ この絵が表紙なのかわかる気がします。