3さいから、となっていますが…
この絵本は、真からとらえるには、すこうし3才では難しいかな?
うちの年中児に読んで聞かせましたが、あまり分かっていないよう。
ただ、絵が可愛らしく、主人公のさっちゃんと、ねこのセリフがユーモラスなので、
深いところまでの理解は難しいでしょうが、それなりに楽しんで聞いていました。
名前のない、のらねこと出会ったさっちゃん。
「自分に名前をつけてほしい」とと頼まれます。
最初は無視していたさっちゃんですが、「自分にもし名前がなかったら」と考えてみて、体がぶるっと震えます。
自分から、「さっちゃん」をとったら、その子は誰になるの?
誰でもない自分て、どんなかんじ?
さっちゃんは、足の下に、深くて暗い穴がぽっかりあいたような気持ちになります。
自分の名前の由来に興味が出てきた頃に、読んで差し上げて欲しい一冊です。
名前とは。
人間は、名前と、いつもぴったりとよりそって生きているので、その価値、と問われても、まるで空気のようで、深く考えることはないかもしれません。
けれど、大人も子供も、時には少し立ち止まって考えてもらいたい。
名前は、親から子への、最初の、そして最大のプレゼントなのですから。
いとうひろしさんの、やさしげなかんじがよく出ている絵本です。