いつもお行儀良くしていることにうんざりのトラさん。はじけたい、さわぎたい、・・・いっそ、あばれた〜い!! トラさんはそこで思いきって・・・。
どういう展開になるのか、どきどきしながら読みすすみました。トラさんは、ちょっとやりすぎてしまいますしね〜。、唖然とするまわりの動物たち、怒り出すみんな。そして、トラさんは森へ・・・。
森で、思いっきりはじけることができても、一人ぼっちでは淋しくないのかな?と心配してたら、あんのじょうその通り。そして、すぐに街に戻っていくあたり、とても素直なトラさんです。ところが、街に戻ると様子が少しちがいました。みんなも少し、自由な感じ。トラさんに影響されたようですね。これならトラさんも大丈夫。息苦しくなく生きていけそうです。良かった!
おしゃれな絵です。抑えた色使いですが、主人公のトラさんは明るいオレンジ色で目だっています。そして、前の見返しと後ろの見返しの変化がすてき。かたい閉じ込められた壁の雰囲気から、明るくのびのびと自由な感じの草はらへ。これはトラさんの気持ちそのものです。そして、自然にふれることが、人の心を自由に伸びやかにするのだということを象徴しているようにも思います。
子どもよりも、日頃、空気をよんだり格好をつけることを強いられている、或いはそうしなくてはと思い込んでいる、大人のツボにはまりそうな絵本です。自分の気持ちと、生きている社会の常識、両方のバランスが大事。でも、すこーし、「あばれる」方に舵をきった方が、いいんじゃない?面白いんじゃない?という作者からのメッセージ、受けとめました!「自分らしさ」って大事ですよね。