きつね山に、お父さんぎつねとお母さんぎつねと5匹の娘のきつねが住んでいました。ある晩、一番目のきつねがお嫁に行くことになりました。山の中を、ちょうちんの行列が進みます。またある晩、今度は二番目のきつねがお嫁に行くことになりました…。
「しろくまちゃんのほっとけーき」などで知られる、わかやまけんさんの作品です。一見しただけではわかやまさんの絵本とはわかりませんでした。それほど画風が違います。生成り色の上質紙に、抑え目の色彩で描かれた挿絵がきれいです。
現代版きつねの嫁入りとでもいうのでしょうか、嫁入りみちに高速道路ができたりスキー場ができたりと、山が開発されていく様子に戸惑うきつねが描かれています。気になるのは、五番目のきつねの行方です。「ダダァン」の音は何を意味しているのか…一体娘はどこへ消えてしまったのか…わからないまま読み終えました。