最後、涙ぐんでしまった。天馬と琴葉、幸せになってほしいな。
工藤さんの作品を読むのは三作目だが、本当に上手い。
琴葉の父が営む町工場を舞台に描かれる過去の戦争と現在。頭で考えることと、体で感じてしまう傷の深さは別物のことがあるだろうなということは天馬の祖母のエピソードを読んで思った。
何よりも、家族から弾き出された天馬を引き取り、家族同然に受け入れ守る琴葉の父の姿勢がかっこいい。仕事での筋の通し方の一徹さにも心打たれるものがある。
盛り込まれているものは、非常に重く考えさせられるが、それを琴葉の視点から描くことで、とても身近な問題として捉えることができる。
そして、最後涙と共に読んでよかったなと思えるって最高。