歌舞伎では車引と寺子屋が演じられることが多く、通し狂言で観る機会もありましたが加茂堤の段からでした。
この本では加茂堤の前の初段、帝の絵姿のエピソードから丁寧に書かれていて、物語の流れと全体像が把握できました。
現代語でルビも振られていて、くだけた若者言葉の会話文もあり、読みやすいです。
著者の金原瑞人さんは翻訳家として多数の児童文学を届けてくださっていますが、歌舞伎や古典文学に造詣が深いと知りました。
妻を切ったり、自害したり、他にも残酷な事があるお話ですが、歌舞伎を観るだけでは理解できなかった部分も、この作品を読むことでわかってきました。