宮沢賢治の有名な童話に、飼育係の経験がにじみ出てた動物画のあべ弘士さんが絵を添えています。
なめとこ山の熊を仕留めるのが、猟師小十郎の仕事なのです。
貧乏ゆえ、それしか家計を支えるすべを持っていなかった訳です。
その様子が、語り手による第三者の視点で綴られます。
熊との対峙、荒物屋で安値で買い叩かれる光景、そして、壮絶な最期。
宮沢賢治の思想が深く反映された作品です。
狩猟という、生死の淵での仕事を、小十郎は因果だと位置づけ、
対峙する熊とも心を通わせます。
教科書でも、小学校高学年以上で取り上げられているようですね。
生命について考えさせられる、とても奥深い作品です。
それぞれの情景が、あべさんの力強い絵でさらに豊潤となっているように思います。