とうとうこのシリーズの最終巻。
悲しいお話があるのは知っていたので、読みたいような読みたくないような・・複雑な気持ちで手に取りました。
冒頭は、アカネちゃんと懐かしいお友達(靴下のタッタちゃんタァタちゃん)との再会にキューンとします。
そして小学生になったアカネちゃんの成長ぶりとともに
わきあがる悩み・・どうしてうちにはパパがいないんだろう???。
そのことで学校でいじめられ、それを乗り越えるお話。
仲のよいマコトくんのお話もあります。
お友達や社会とのかかわりの中で、ひとつひとつアカネちゃんが
自分のこと家族のことを思い、成長していくのが分かります。
そしてパパの死・・。
松谷みよ子さんはこんなにも難しいテーマを、死に神やクジラや
クマさんなどを巧みに登場させて、ふんわりと、しかしよけいにリアルに迫るお話にまとめました。
ものすごい手腕だなぁと思わされます。
そしてこれは実際に松谷さんのご家族のことで、お子さんたちの
ために書かれたお話だからでしょうか。
「書かなければいけなかった魂のお話」と思いました。
生まれる必然性のあったストーリーなのです。きっと。
読みながら大人は心をぎゅっとわしづかみにされ、その横で
息子はユーモアあるエピソードにころころ笑いながら楽しんでいる。
すごいお話を松谷さんは書いてくれました。