わくわくと読み進みました。読み終わった時、とても嬉しくなりました。弱い人も、強い人も、持っている「うれしい!」と感じる心、すなおに「悪かったなー」と思える心、いさぎよく「兜を脱ぐ」心などに出会えました。特に、60歳を過ぎた私が印象づけられたのは、二つ。自分の子供に、どうすることもしてあげられない時、涙をこぼして、「ごめんね」とあやまるお母さんウサギ。そしてもう一つは、悪気はなかったのに、ウサギの親子をきずつけてしまった子ザルには、安心して落ち込める場として、お母さんザルのひざの上があったこと、です。また、何より嬉しかったのは、物語が、それから後は、読者の思いを超えて、つながりがどんどん発展していったことです。