表紙のとおり、横を向いてふてくされている男の子。
怒られても、こんな調子で、
親としては「人の話きいてるの?」って余計に怒れてきますよね。
いつもおこられてばっかりの男の子。
おかあさんもせんせいも、いつもおこってばっかり。
おとこのこをみるときの顔はいつも怒ってる顔ばかり。
でも、かれはそうやっておこられながら、
心のなかで思ってること、いっぱいあるんです。
でも、それをいったらまた怒られるから。
だから、じっと横をむいて、歯をくいしばって耐えています。
思えば、私も子供のころ、
なかなか自分の気持ちがうまく伝えられず、
それをなんとか伝えようと頭の中でいっぱいかんがえているうちに、
「なんで何にもいわないの!」
「人の話きいてるの!?」
「もういい!」
などと余計に怒られて、
ほんとに悔しくて悲しくて、
それで結局この男の子みたいに、横を向いて、
なみだなんか流してたまるかと、歯をくいしばっていたっけ。
「ぼくは どないしたら おこられへんのやろ。
ぼくは どないしたら ほめてもらえるのやろ。
ぼくは・・・「わるいこ」 なんやろか」
このくだりには、ほんとに涙がでそうになりました。
そして、たなばたの日。
彼は、たなばたさまへのお願いをかんがえます。
いちばんのおねがいを。
「はよう かきなさい」ってまた怒られながら、
いっしょうけんめいかんがえて、かいたおねがいは・・・
「おこだでませんように」
これをみた先生は?
おかあさんは?
祈りのようなお願いに、思わず胸が痛くなりました。
私も上の息子をおこってばっかりです。
そんなとき、頑固な息子は、
やっぱりこの男の子のように、
横をにらみ、じっと黙っています。
きっと息子の中で、いろんな気持ちがうずまいているのでしょうね。
でも、それをいえないのだとしたら。
そんなふうに、いえなくしてるのが私なのだとしたら。
息子にもうしわけない気持ちと、愛おしい気持ちとで、
胸がぎゅっとなりました。
子供も、いろんなことを感じてる。
いろんなことを考えてる。
その心は大人の想像以上に強くて、弱い。
そのことを改めて考えさせられた絵本でした。