この絵本に初めて出会ったのは学生の時でしたから、30年くらい昔のことです。親しくしていた教授が「これは本当に面白いわよ。」と紹介して下さり、友人たちと額を付き合わせてとこちゃん探しをしました。まだ「ウォリーをさがせ」は出版されていませんでした。
幼稚園に採用されてぴかぴかの新人保育者になった入園式の日、お母さんから離れなれなくてシクシク泣いていた子どもを膝に乗せて、「とっても面白いご本があるのよ…」といってその子の気持ちをとこちゃんに向けてみました。これは大当たりでした。人見知りをするかもしれないから、というお母さんの配慮で式の開始時間よりかなり早く登園していたので、いっしょにとこちゃん探しをしてしまいました。彼女は入園式以来、泣くことはありませんでした。しばらくとこちゃん探しをしてからお友達との遊びに加わっていましたが…。