落語絵本シリーズ8。
「いちがんこく」?
まずはその言葉の響きに???
でも、表紙で納得ですね。
「一眼国」、どうやら一つ目の人間の国のようです。
落語とは馬鹿馬鹿しい、と、冒頭から自虐でスタート。
そして、あっけらかんと、江戸時代に白黒テレビを登場させるのですね。
で、そのテレビの特ダネスタッフが、ネタに困り、
居酒屋で耳にした「一つ目小僧」の噂に迫るストーリー。
ところが、逆に、一眼国に迷い込み、自分が特ダネになってしまうのですね。
絵本特有の描写で、最後までそのオチ(一眼国の人々の様子)が伏せられていて、
効果的なオチとなっています。
柳田国男さんの「一つ目考」が参考となり、「一目瞭然」という言葉も後押しとなったようです。
違った存在を排他的にとらえるのではなく、素晴らしい能力を持ち合わせている、
ととらえる視点は素敵です。
「一つ目小僧」といえばおっかないですが、今作の一眼国の人々は、
ここまで勢ぞろいすると愛嬌があり、そんな点がびっくりでした。