貼り絵のコラージュで描かれた、独特な色使いのキーツの絵はとても魅力的で、映像がいつまでも頭の中から離れません。この『ピーターのいす』も、センスのよい色使いが印象的で、大好きな絵本のひとつです。
赤ちゃんが生まれた上の子の複雑な気持ちは、上の子本人のみならず、親も周りの人間もよく分かる感情だとは思いますが、それをこんな風に絵本の中で描ききるのって、スゴいなぁと思います。ピーターの心の揺れが、ページをめくっていくだけでとてもよくわかります。
そして素敵だなと思うのは、ピーターの両親の行動。おかあさんは家でしている息子に、何事もなかったように「お昼はごちそうですよ」と声がけし、ピーターのイタズラに大げさに(?)反応してあげます。そしてお父さんはもどってきたピーターの横にそっと座るのです。こんな親になれたらなぁ。