絵もすべて新しくなった、王さま新絵本シリーズ。
短めのお話一つがまるまる一冊の絵本に。
小さいころ大好きだった王さまの世界、
今から新しいものがみれるなんて感慨深いですね。
絵本を描かれたのは和歌山静子さん。
そうです、王さまといえば和歌山さんの絵でなきゃ。
力強い線で描かれた、ふっくら可愛い、あの絵。
白黒の小さめ挿絵で楽しんだ世代としては
どのページも見開きでカラー絵なんて、贅沢です!
絵が増えたことで、嬉しいことに
小さなわが子にも王さまの読み聞かせができるようにもなりました。
本作では王さまの穴だらけのメイ探偵ぶり、親子で楽しめます。
誤字だらけの手紙がドーン、
最後のどこか奔放なシーンにも見開きなど、
絵にスペースのとれる絵本ならでは。
そのニワトリと歩く王さまの姿に苦笑、
きっとこりゃだめだねー。
このお話に限らず 、王さまってまわりに迷惑ばかりかけています、
偉そうだし、不勉強だし、のん気すぎる。
でもでも・・・、そんな呆れちゃう王さまが、
子どものころの自分のどこかと、実はぴったり重なるようでした。
ちっとも憎めない。
小さな私は、王さまのトンデモ行動を楽しみながら、
いつだって気ままな王さまに、共感し安心していたのです。
子どもに絵本を読む中で、
久々の王さまと、間近で会えるようになりました。
お話を絵本でゆっくりなぞっていると、
時折ピョッコリと、あの頃の小さな私が顔を出す気がします。
彼女も新しい王さまが見たくてたまらないのですね。
子どもには愉快な友人と引き合わせて紹介する気分。
自分にとっては嬉しい再会。
また会いましょう、次はなんのお話ですか。
絵本化、ぜひたくさんの作品を出し続けてほしいです。