図書館の新刊の棚で見つけ、桜の開花もあっという間に過ぎ、新緑の季節に合いそうだなと手に取りました。
桜満開の木の枝をしっかりと足で掴み、ギロっとこちらを見つめる1羽のみみずくの絵と題名の緑色が爽やかな風を感じる表紙です。1羽のみみずくが黒い髪で薄い桜色の着物を幾枚も重ねて着ている綺麗な女の子に出会い、桜の精だと思ったみみずくはずっと彼女を守ろうと誰もこの桜満開の森へ侵入してこないよう番をします。そんなみみずくの気持ちを知ってか知らずか、時は流れます。少しづつ季節は変わっていくのです。ちょっど今頃読むのにぴったりのお話です。ちょっと乱暴な物言いのみみずくと季節の風や雨といった自然の営みがそおっと感じられ、童話の世界を満喫出来ました。活字も大きくひとりで読めるようになった息子ですが、読んであげると、「トット トット トット」と言いながら緑のスキップの真似をしながらスキップをしています。これといったインパクトがあるわけではなく、教訓的な感じもしませんが、後世に残したい1冊ですね。